Vol.6横浜市役所の職員に家事シェアセミナーを実施!職員の家事には意外な共通点があった!?
~Kaji×Kajiハッピーシェア×横浜市 家事シェアセミナー第6弾レポート~
知ることや協力することで家事はもっと楽しくもっと効率的にできるはず!それを実現するための「家事のコツ」や「家事をシェアするコツ」を全国各地に伝えてきたライオンは、男女共同参画推進に関する連携協定を締結した横浜市とともにセミナーを実施しています。
2021年にスタートした横浜市との取り組みは間もなく4年目。対面での実施が難しかった新型コロナ禍にはオンラインで、その後は区の子育て支援拠点で家事シェアセミナーを実施してきました。今回は、今までとは少し視点を変えて横浜市役所にお勤めの皆さんにセミナーを実施しました!
今まで以上に横浜市内でこの取り組みを広げていくためには、ともに取り組みを進める市の職員に理解を深めてもらうことが大切。このタイミングで改めて職員向けセミナーを実施することになりました。
もちろん会場は横浜市庁舎。多くの人でにぎわうみなとみらい21地区からほど近い場所にあり、商業施設やアトリウムもあるので、市役所に用事がある人以外にも多くの人が日常的に訪れる開かれた庁舎となっています。
市役所に勤める方への開催とあって、実施したのは平日の日中。世代も幅広く男女20代から60代まで、独身の方もこれまでで一番多い状況でした。ワイシャツ姿の男性も多く、講師席から見る光景も、ファミリー層に向けた週末開催の時とはだいぶ違います。講師陣にはちょっとした緊張が走ります。
横浜市政策経営局 男女共同参画推進課長の武井友子さんの進行でセミナーがスタート。まずは、男女共同参画担当理事の深川敦子さんから横浜市の男女共同参画に関する現状やジェンダー平等の視点の必要性について説明が行われました。
そして、いよいよ我々の出番。冒頭はまずセミナーのタイトルにもなっている「家事シェア」という言葉についての解説から。「家事分担と家事シェアの違い」を尋ねると男性職員の方は申し訳なさそうに「一緒だと思っていました」と回答。一方で、女性職員の方は「家事シェアは同じ家事を一緒にすることで、家事分担は別の家事をするということでしょうか」と答えてくれました。
我々が伝えたい「家事シェア」とは。「シェアする」というと、ケーキやピザなどを複数の人で取り分けることを思い浮かべて「配分する」ようなイメージを持つ人も多いですが、本来の意味は「シェア=共有」。つまり「責任を一緒に持つ」ということ。家事を終えるという目的に対して、最後まで一緒に進めて一緒に終わりまでやり、一緒に休むところまでやりましょう、ということです。
「家事分担」と「家事シェア」の違いを理解した職員の皆さんがグッと前のめりになってきたことを感じました。さあ、あとは具体的にどうやって進めるか?そのヒントを伝える本編のセミナーに入っていきます。
同じ職場に勤める人たちの意外な傾向
今回、講師を務めたのは、ライオンのリビングケアマイスター・杉本美穂さんと特別講師のNPO法人ファザーリング・ジャパンの杉山錠士さん。
年齢性別に関わらず全ての方に関係する家事「食事の後片付け」のコツや知識と、一般社団法人日本ほめる達人協会のメソッドに基づいた、夫婦で協力していくためのコミュニケーションのコツを届けていきます。
オリエンテーションで杉本さんが受講者に投げかけるのは「あなたにとって家事とは?」。家事は日常的なもので改めて考えることはとても少ないと思います。効率重視なのか?クオリティ重視なのか?一人で進めたいのか?家族と一緒に進めたいのか?ほかの人の考えを聞くことがあまりないので、なかなか違いがわからないものですが、結婚などで暮らしを共にすることで、実はそれぞれの向き合い方が違うということに薄々気が付いているのではないかと思います。
ライオンでは家事や家事分担に関する調査データを元に、家事への向き合い方を6つのスタイルに分類しました。これまでのセミナーでも実施しましたが、3つの質問に答えることで、自分はどのスタイルで、家事をどのように進めたいと思っているのかを認識してもらいました。
今回、その結果が驚きのものだったのです。
家事は一気に終わらせたい!と考え、時間・役割を決めて別々のことを同時進行していく「パラレル型家事シェアタイプ」だったという方が、全体の約4割と圧倒的トップだったのです!
これまで実施してきたセミナーでも、ここまで回答が偏ったことはありません!
やはり同じ職業の人たちには、家事シェアにも同じ傾向があるのでしょうか?
この「パラレル型家事シェアタイプ」の人が重視しているのは「効率」。横浜市という人口の多い自治体では、市役所に訪れる人も多く、日々たくさんの相談や手続きの業務に対応する必要があり、それこそ効率的で迅速な対応が求められているからではないか、と勝手に推測します。
一方で、同じ横浜市役所に勤め、「パラレル型」同士で結婚した人の場合は、よほどスムーズに家事シェアができるのかもしれない!そんなことも想像してみたりしました。
とはいえ、もちろん他のタイプの人と暮らしを共にするケースも多々あります。傾向の違う人と上手にすり合わせるために必要なものこそが「コミュニケーション」です。
杉本マイスターに続き、杉山さんが講師を務めた一般社団法人日本ほめる達人協会のメソッドを元にした「ほめ達セミナー」は、まさに「ほめる」ことをベースとしたコミュニケーションを円滑に進めるためのメソッドが満載です。
今回、受講してくれた職員の皆さんにもいろいろな声を聞きましたが、自分自身はもちろん、ともに家事をする相手のこともイメージして、上手にシェアする方法を考えるきっかけになっていたと思います。
続いては再び杉本マイスターが登壇し、効率的に食事の後片付けを行うコツについて伝えていきます。まずはこのセミナーではおなじみ皿洗い知識テスト。きっとこれまで様々なペーパーテストに臨んできた皆さんも、さすがに家事にまつわるものは初めてだったと思いますが、真剣に向き合ってくれました。
テスト終了後は、もちろん答え合わせ。正解が発表されるたびに一喜一憂する横浜市職員の皆さんの歓喜の声とため息が会議室に入り混じります。素晴らしいリアクションは本当にありがたい限りです。
そして、セミナーのラストにはスペシャルコンテンツも待っていました。
普通の洗剤と食洗機用の洗剤の違いは??
もうひとつ、いつもと違ったのは、受講者が職員ということもあり事前のやり取りがスムーズでした。おかげで、講座が始まる前の時点で、それぞれから質問を集めることができたため、一部ではありますが、事前に準備して解説することが出来たのです。
中でも多かったのが、食洗機に関するもの。
例えば使用する洗剤については、「手洗い用の洗剤」と「食洗機用の洗剤」はどう違うのか?という質問について、杉本マイスターの解説は…
「洗い方が違うので成分が違います。手洗い用の洗剤はしっかりと泡立って油汚れを落としやすいようになっています。一方で、食洗機では洗浄液を噴射して洗うために、洗剤は泡が立たないように設計されています。そのため、誤って食洗機で手洗い用の洗剤を使うと泡であふれて故障に繋がるおそれがあります。また、食洗機用の洗剤は手洗いをすることを想定していないので、手荒れになってしまう恐れがあります」
普段は何気なく受け止めている洗剤の違いについてしっかりと解説を聞く機会はあまりないと思いますので、とても納得の回答が得られたのではないでしょうか?
始まる前こそ、ちょっと緊張した横浜市職員向けの実施でしたが、終わってみればとてもいい反応をしていただき楽しく伝えることができました。
また、終わった後に実施したアンケートでも素敵な結果が!
「今回のセミナーは、今後の家庭での家事シェアに役立ちそうだと思いますか?」という問いに対しての回答は…
■かなり役立ちそう:40.0%
■まあまあ役立ちそう:57.5%
ほぼ満点の回答です!
さらに「今回のセミナーをきっかけに、もっと家事に参画しようと思いますか?」という問いに対しては、「既に十分家事参画している」という方を除き、「かなり思う」「まあまあ思う」を合わせて100%を達成しました!
これは本当にうれしい反応です。
横浜市とライオンの取り組みがこれからも続く上で、ともに横浜市民の皆さんに届ける側である職員の皆さんに「kaji×kajiハッピーシェア」のセミナーの意義をより深く実感していただけたと思います。
日常的な家事を後押ししたいという思いを、広い横浜市の隅々まで届けるためにも、引き続きよろしくお願いします!