Vol.2地域からさらに広がる家事シェアの輪!思わず誰かに話したくなる家事のコツ
~Kaji×Kajiハッピーシェア×横浜市 オンライン家事シェアセミナー第2弾レポート~
家事は家族みんなのこと。わかっていてもなかなか上手に家族でシェアできない、という方も多いのではないでしょうか?そんな方々に向けて、長年培ってきた経験や知見を基に、「家事のコツ」や「家事をシェアするコツ」を全国各地に伝えてきたライオンは、男女共同参画推進に関する連携協定を締結した横浜市とともにセミナーを実施しています。
昨年10月には、自宅から参加できるオンラインのセミナーを実施。そして、3月にはその第2弾として、地域で暮らす子育て層を中心に届けるため横浜市神奈川区の地域子育て拠点「かなーちえ」と共同で開催しました。
当初の予定では「かなーちえ」に集まったご家族に向けた対面形式とオンラインを同時に開催する予定でしたが、折からの新型コロナウィルスの感染拡大に伴うまん延防止等重点措置の発令を受けて、全てオンラインで実施することとなりました。
34組のみなさんに参加いただいた今回のセミナー。誰もが多様な選択を実現できる社会を目指して様々な取組をしてきた横浜市の政策局男女共同参画推進課の杉山拓さん、そして「かなーちえ」の瀬嵐理恵さんのあいさつにはじまり、リビングケアマイスターの吉井和美さんによる、ライオンが実施した様々な調査で分かった家事や家事分担に関するデータを元にしたオリエンテーションとお風呂掃除のポイントが詰まった家事セミナー。そして、特別講師のNPO法人ファザーリング・ジャパンの杉山錠士さんによる、一般社団法人日本ほめる達人協会のメソッドに基づいた夫婦のコミュニケーションをより円滑にするための「ほめ達」セミナーという、Kaji×Kajiハッピーシェアではおなじみのコンテンツを届けました。
実施後のアンケートでも概ね90%の方から「大変良かった」「良かった」という評価をいただき、「クイズ形式で、参加出来て、楽しかった。 ほめ達は家族だけでなくて仕事でも使えると勉強なりました」「お風呂掃除の仕方がとても勉強になったし、根拠もしっかりしていて納得しました」など好意的な反応を多くいただきました。
子育て施設にも増えるパパたちの姿
会場となる予定だった「かなーちえ」は、普段から近隣で暮らす子育てファミリーが集まり、一緒に遊んだり、情報交換をしたりと様々な形で地域の子育てを支えている地域密着の子育て拠点。こちらにやってくるたくさんのパパやママの声を聞いている「かなーちえ」の瀬嵐さんはこのように話します。
「ママたちの意識や価値観に変化が見られます。かつてはどんなに大変でも家事や子育ては自分たちでやらなければいけない、パパには頼めないと思っているママが多かったと思います。しかし、共働き家庭で子どもが保育園に通う家庭が増えてきた中では、少しずつパパが家事や育児をすることへの抵抗感や罪悪感は少なくなってきているように感じます。
ただ、一方で育休から復帰するタイミングで、夫婦で家事をどうシェアしていくか?といった、以前とはまた違う悩みを持っているママも多く、そういった課題に取り組んでいくためにも今回のような家事シェアの講座はとてもよかったと思います」
「かなーちえ」では特に男性、パパに向けた取組に関しては、世の中に先駆けて行ってきました。ここ数年、男性の家事育児参画を後押しする風潮は強まっていますが、かなーちえでパパ向けの講座がスタートしたのは、まだ「イクメン」という言葉もなかった15年ほど前。おもちゃ作りやピザ作りなど様々なことを実施したと言います。さらに、5年ほど前からは、継続的なパパたちの繋がりを作るために、毎月第2土曜日にパパたちが集まって話すイベント「パパたちの子育てトーク」を開催しています。
実際にパパたちの姿や意識は時代を経てどのように変わってきているのでしょうか?
「かなーちえに来るパパは増えてきているように感じます。パパ向けの講座やイベントも時に定員オーバーになることがあるほどです。集まったパパたちは本当にいろいろな話をしているようです。育休を取ったことがある先輩パパがその経験を話したり、子育てに関する悩みを共有したり、楽しい話だけでなく困っているという話題が出ることも少なくありません。今は、在宅勤務が増えたことで同じ境遇の仲間と世間話をする場所にもなっているようです。
心がけていることは、あまり施設の職員が入らずに、パパ同士ですすめてもらうことです。パパが講師になったり、ファシリテーターになったりすることで、話しやすい雰囲気を作れればと思っています。かなーちえに来る子育て世代は子どもが小さいご家庭が多いですが、特に多い0歳児の子どもを育てるパパたちには、パパ向けのイベントには、お子さんと2人で来てね、と誘っています。少しでもママが休める時間を作って欲しいということもありますし、その方が話しやすいところもあるのかなと感じています」
地域拠点だからこそ広がる口コミのチカラ
瀬嵐さんはセミナー実施後に起こったうれしいことを教えてくれました。
「私たちが声をかけて今回のセミナーに参加したパパが、すぐにその後、かなーちえに来て、『すぐにやってみます!』と楽しそうに話してくれたんです。やって良かったと思いましたね。しかも、そのパパは次のパパトークで、集まってきたパパたちに向けて、セミナーで教えてもらった話をしてくれました。こうやって、家事のやり方などもパパたちに広がって行ってくれたらいいなと思います」
なんて素敵なことでしょう!我々が届けた情報が、このようにパパ友やママ友へ口コミで広がってくれたらこんなにうれしいことはありません。当事者同士だからこそ共感も深く、より身近な情報として伝わってくれたら最高ですね。
これも、パパママを問わず、長きにわたって交流する機会を作り、積み上げてきた関係性があるからこそ。地域の子育て拠点として愛情深く活動してきた「かなーちえ」の皆さんに感謝です。
子育てをきっかけに自分たちの暮らす街に関わりを持った人たちに、今後の地域活動の担い手として期待を寄せる瀬嵐さん。地域の交流が盛んだと、情報は幅広く街中に広がっていくことに繋がります。そうすると、地域全体に家事シェアが広がり、笑顔の家族が増えていくかもしれない!我々にもそんな期待が広がりました。
横浜市をもっと“家事シェアの盛んな地域”にするために、これからももっともっとたくさんの方に届くように取り組んでいきたいと思います。
かなーちえ https://kana-chie.com/