Vol.10初のオンライン開催!職場の仲間と一緒に円満を目指す!~佐賀県・松尾建設 家事ギャップ解消オンラインセミナーレポート~
子どもが産まれる前から家事や育児に積極的に取り組む人たちを応援する「マイナス1歳からのイクカジ推進事業」を展開している佐賀県。当社ライオンとは2018年から包括協定を結び、夫婦や家族の円満を目指した活動をともにしてきました。
3年目となる2020年。今年は夫婦だけではなく、より多様なライフスタイルの方々に思いを伝えるため、企業を対象とした活動を進めることにしました。その思いに賛同してくれたのが佐賀県で134年の歴史を誇る松尾建設株式会社。工事原価本部建築原価部の36名に、家事ギャップ解消セミナーを行いました。
今回は昨今の状況を鑑みて、県をまたいだ移動などを避けるために、新たな開催方法を模索。その結果、佐賀県にある松尾建設の会議室と東京にあるライオンの会議室をオンラインで繋いで行うことに。
2016年にライオンが夫婦円満プロジェクトを開始してから丸4年。各地でセミナーを実施してきましたが、オンラインでの実施は初めて。数ヶ月にわたってリハーサルを重ねて準備をしましたが、それでも開催当日になると、東京の会場はみんなドキドキ。ちゃんと皆さんに聞こえているのか?途中で回線が途切れたりしないかと、今までとは全く違う緊張感に包まれました。
イクメン力全国ランキング1位の佐賀県で働く人たちの家事力とは?
佐賀県の会場は松尾建設の大きな会議室。密になることがないよう、午前と午後の2回に分けて実施しました。
「業務を円滑に行うための住環境の改善を目指して、家庭でのストレスがなくなるように」と松尾建設株式会社 工事原価本部 建築原価部の松田裕治統括がセミナーの目的を語るところからセミナーがスタート。続いて佐賀県の山口祥義知事から届いた、この日のために用意されたビデオメッセージが会場に流れました。
知事からは、今年の7月に民間企業が実施したイクメン力全国ランキングで、佐賀県が全国1位を獲得し、さらに2位に熊本県、3位に福岡県が入って上位を九州勢が独占したことを引き合いに「一昔前であれば、九州イコール亭主関白というイメージがありましたが、時代は変わってきています。家事や育児は女性がする“もんだ”。仕事は男性が中心でする“もんだ”。そんな“もんだ症候群”から皆さん早く抜け出しましょう」という熱い思いが語られました。
今回は、オンライン会議ツール「Zoom Meeting」を使用。会場となった会議室の大型スクリーンにセミナー進行のスライドを投影しつつ、参加者はそれぞれ自分の席にもノートパソコンを用意。スライドの確認や、チャット入力などの操作ができるような環境を整えました。また、それぞれのパソコンのカメラもオンラインで繋がっているので、佐賀にいる皆さんの顔もよく見えました。マスクをしてはいますが、表情や頷いている姿が見えてホッとしました。
もちろんチャットで参加者とやりとりをすることも初めて。これもまたドキドキです。そのため、冒頭では参加者に対して「きょう食べた朝食は?」「今夜食べたいものは?」といった簡単な質問を投げかけ、チャットで答えてもらいました。すると、皆さん反応が早い!追い切れないくらいのペースでどんどん入力していってくれます。きっと会議をはじめオンラインツールを使う機会が増えた影響もあるのか、皆さん本当に慣れている様子でした。
これまで各地で実施してきた内容と同じく、まずはデータを示しながら家庭内に存在する家事ギャップの説明。加えて今回は、2020年6月に実施したコロナ禍における生活や意識の変化に関する調査の結果も合わせて紹介しました。調査では、在宅勤務が増えたことで、家族の健康や命についての意識が高まっていること、そして在宅勤務、出勤に関わらず男性の家事分担が増加傾向にあることがわかり、今まで以上に家事の重要性が増していることを伝えました。
日本だけでなく、世界中で生活の変化が求められた新型コロナは、家庭内における家事の在り方にも影響を与えているのです。
続いて、家族のコミュニケーション改善を促進するための一般社団法人日本ほめる達人協会のほめ達メソッドを伝えるパート。うれしいほめ言葉は人によって違うことを知ってもらうために行った「ほめられて嬉しい言葉を10個挙げるワーク」では、参加する皆さんの生の声を聞くために、会場にいる佐賀県庁の男女参画・女性の活躍推進課、木山係長と連携。こちらが指名した人のところに木山係長が走りマイクを渡してくれました。オンラインでありながら今まで以上に動きのあるセミナーになりました。
オンラインでのやりとりを最大限に活用したのは、恒例の「皿洗いセンター試験」。ライオンが開発した(おそらく)世界で唯一の皿洗いの知識を問うペーパーテストです。参加者には事前に回答を書いておいてもらい、それを元に答え合わせを行いました。○×で答える2択の問題では、投票機能を発動し、参加者達にリアルタイムで投票してもらったり、記述式の回答ではチャットを活用。オンラインだからこそできる自由度が高い双方向のやりとりで参加者一人一人の声を聞くことができたのはよかったです。
ちなみに、チャットは、参加している全員が見ることができる環境だったので、会社の同僚や上司、部下がどんな答えをしているのかがわかります。もしかしたら社内の人から見るとその人の意外な一面が垣間見えたかもしれません。
そして、今回は大事件が起きました!なんと!午前のセミナーを受講した男性が、皿洗いセンター試験の史上最高得点を出したのです!その得点なんと88点!素晴らしい!さすがイクメン力全国ランキング1位!
男性に喜びの声を伺うと「今までしてきたことが報われました」と金メダルを手にしたアスリートのような感想を聞くことが出来ました。
家事ギャップの説明の際に毎回伝えていることですが、やはり家事を主に担っている方は感謝をされないこと、認められないことに不満を抱えているところがあります。最高得点をとった男性の言葉から、改めて家事が普段はなかなか認められないことであることを実感しました。
これまで夫婦を対象に行ってきた家事ギャップ解消セミナー。今回は独身の方も多かったため、夫婦だけでなく家族みんなで円満を目指すための「家族みんな円満宣誓」を参加者全員で高らかに読み上げ、無事に幕を閉じました。
チャットが好評!オンラインならではの発言のしやすさ
こうして初めてのオンラインセミナーは無事に終了しました。会場の雰囲気作りや画像と音声がずれているところがあったり、進行のスピード感など今後の課題となるところもあったかとは思いますが、大きなトラブルもなく終了して本当にホッとしています。
また、今回は佐賀県では初めての試みとなった企業を対象としたセミナーの実施でした。佐賀県庁からは、「職場研修は参加者同士がお知り合いなので、そこを生かした気軽に意見が言えるアットホームな雰囲気のセミナーを、これからも考えていきたい」と次回に向けた前向きな感想をいただきました。
そして、参加者の事後アンケートを見ると、嬉しい言葉がたくさん!「皿洗いで意外と間違っていたことがあったので知れてよかった」「夫婦で受講できたらもっと良かったと思いました」「結婚してから役立つことをたくさん知ることができました」など、内容についてだけでなく、たくさんの方からはチャット機能を使ったやりとりが好評でした。
「チャットで他の人の意見を知ることができる点は良かった」「対面よりもチャットは意見が出しやすくてよかった」「チャットで参加できるのは面白かった」など、確かに対面のセミナーでは意見を発表するハードルはとても高いように感じます。その点、チャットは手元で打ち込むだけなので参加しやすかったのでしょう。オンラインならではの機能を存分に使うことができて本当に良かったです。
今回、夫婦円満都市推進プロジェクトは、2つの新しいステップを踏み出しました。
一つはオンラインを利用したセミナーの実施。今回は企業の会議室で集まっての参加となりましたが、これなら自宅からの参加もできます。もっというと、世界中どこからでも参加ができるのです。いよいよワールドワイドなグローバル展開も夢ではないのです。
そして、もうひとつ、独身の方も含め、多様なライフスタイルの方に向けて行ったことで、夫婦だけにとらわれず、様々なカタチの家族に向けた発信へと繋がっていくと思います。今後はお皿洗いだけでなく、お洗濯やおふろ掃除など、家族みんなで使うモノや場所の家事について、家族全員で協力して行うやり方と、家族が笑顔でいられる”楽しい空間”を提供できるように一歩ずつ進んでいきたいと思います。
この記事を作成・監修した
マイスター
リビングケアマイスター
杉本 美穂
すぎもと みほ
家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。