Vol.9家事ギャップ解消セミナーはベテラン夫婦にも届くのです! ~佐賀県夫婦円満都市推進プロジェクト 県民向けセミナーレポート〜
今回も幅広い年代の夫婦が参加!
ライオンと自治体が手を組み、そこで暮らす夫婦を円満に導いていく「夫婦円満都市推進プロジェクト」ナビゲーターの兼業主夫放送作家、杉山錠士です。
2年目を迎えた佐賀県の「マイナス1歳からのイクカジ推進事業」ですが、前回リポートした県職員の皆さんに向けたセミナーの翌日、佐賀県で暮らす夫婦の皆さんに「家事ギャップ解消セミナー」をお届けしてきました。
我々も毎回どんな方が参加してくれるのかと楽しみにしているのですが、今回も年代や結婚年数が様々な皆さんが参加してくれました!
今回は、その中に、ちょっと意外な反応があったのでご紹介したいと思います。
結婚生活が長い夫婦は変わらない??
今回も家事ギャップ解消セミナーでは、ライオンの調査で明らかになった「家事ギャップ」の説明にはじまり、一般社団法人日本ほめる達人協会のメソッドをもちいたコミュニケーションアップをはかる「ほめ方セミナー」そして、普段はなかなか体験することがない「皿洗いセンター試験」で基礎知識をチェックして、調理室で実践しながら学ぶ「皿洗いアクティブラーニング」というフルコースを実施。20名を超える方に参加していただきました。
そして、セミナー終了後。
我々はその効果を検証するためにセミナーを受講されたご夫婦にお話しを伺いました。
A夫妻の場合 結婚14年目で家事に対して前向きに
中学校2年生と小学校6年生という二人の娘さんがいるというこちらのご夫妻は結婚14年目。夫婦としてはなかなかの経験を積んだお二人ですが、普段は、家事の分担はどうなんでしょう?
妻「圧倒的に私がやっています。やっぱり家事は自分の仕事だと思っているので。仕事が遅いときとか、どうしても具合が悪いときなどは頼むことはありますけど、本当にそういうときだけですね」
一方、皿洗いセンター試験の大喜利部分が楽しかったという夫に家事について聞くと。
夫「してもらっているという感覚はありますし、自分もやらないと、とは思っているんです。正直なところ後ろめたいと感じているところはあります」
この声に対する妻の反応は…。
妻「え?後ろめたいと思ってたの??」
そうなんです。実はこちらのご夫妻、結婚してから14年間、今まで一度も夫婦で家事について話し合ったことがなく明確な分担などはしていなかったそうです。
そんなお二人が家事ギャップ解消セミナーを受けた感想は?
妻「家事に関して情報の共有ができたこと、基準を一緒にすることは良かったと思います。今までは『ここ拭くよね?』とかちょっとやり方にギャップがありそうなこともいちいち言いませんでしたし、言ってもどうなのかな?と思っていた部分がありましたが、それもコミュニケーションのひとつだし、今後は言ってみようと思いました」
夫「もともと男性が家事をすること自体には抵抗はありません。でも、実際はあまりしていない。それに妻の家事で気になったことがあっても言ってこなかったです。これは言ったら自分がやらないといけなくなるからですね(苦笑)これからは、ちゃんと思ったことを言ってコミュニケーションをとって、一方で自分も家事について前向きに取り組んでいきたいと思いました」
14年一緒に暮らしていても踏み込まなかった部分について変わったとは驚きです!
B夫妻 結婚18年 今では夫の方が家事上手に
先ほどのA夫婦よりさらに長く夫婦をしているお二人。家事について話し合ったことは?
妻「二人目を生んで産休の時に、家事が大変だからお願いしたいと話しました。夫はそれまで、ほとんど家事をやらなかったのですが、徐々にできるようになってきたという感じです。以前は、仕事から遅く帰っても汚れたお皿がシンクに残っていたことがよくありましたが、今はほとんどありません」
素晴らしい!一方で夫の気持ちはどうなんでしょうか?
夫「やっぱりやらないといけないと思ったのでやるようになりました。でも、うまくできないこともあります。例えば洗濯物をしまうときに娘(高校2年生)と妻のサイズが近いので間違えてしまうこともあるみたいですが、妻は何も言わずに直してくれます。妻はダメ出しをしないけど、ありがとうとはよく言ってくれます。そう考えると自分はあまり言っていない。そこを変えないといけないですね」
なるほど。お互いに思いやりを感じられるお二人です。しかしこの日、妻の方はちょっと予想外の出来事があったようです。
妻「皿洗いセンター試験の点数が夫の方が良かったんです…。これはちょっとショックでした」
なんと!結婚してから徐々に家事ができるようになったという夫が皿洗いに関しては妻を超えていたんですね!これはもう努力の賜物ですね!そんな夫が今回のセミナーで得たものとは?
夫「スポンジの扱い方は参考になりました。除菌の仕方や使った後のスポンジをどうしたらいいのか?というのは全然知らなかったです」
また一つ知識を得てスキルアップした夫。もはや家庭における皿洗いマスターになりそうですね!
インタビューした二組の夫婦の他にも、今回はベテラン夫婦が参加してくれていたのですが、セミナー後のアンケートにはこんなことが書かれていました。
「20年前に聞きたかったです…」
いやいやまだ遅くありません!今日からでも取り組んでいきましょう!
他にも
・家事について夫婦で考えられる良い機会になった。
・夫婦で一緒に学べ共有できてとても良かったです。
・今日のセミナーを通して家事に一歩踏み出せればと思います。
など多くのポジティブな感想をいただきました。
得てして、長く一緒に暮らしていると、夫婦それぞれのやり方が固まってきて、なかなか変わるきっかけがないものです。佐賀県ではその家族がスタートを切る『妊娠「マイナス1歳からのイクカジ』をきっかけにした事業を展開していますが、その効果は若い世代の夫婦だけでなく長年連れ添った夫婦にも一歩踏み出すきっかけになっていることがよくわかりました。
これからも結婚年数にかかわらず多くの夫婦に我々の思いを届けていきたいと思います!
リビングケアマイスター
杉本 美穂
すぎもと みほ
家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。