Vol.6夫婦円満都市推進プロジェクトが佐賀の男性を変える?? ~家事ギャップ解消セミナー受講者の反応はいかに?
なんと!夫から妻を誘って参加していた!?
ライオンと自治体が手を組み、そこで暮らす夫婦を円満に導いていく「夫婦円満都市推進プロジェクト」ナビゲーターの兼業主夫放送作家、杉山錠士です!
佐賀県と共に推進している「マイナス1歳からのイクカジ推進事業」では、現在は各地でセミナーやワークショップが開催されています。今回は10月に再び佐賀で行われたセミナーに参加した夫婦にお話を聞いたところ・・・意外な事実が明らかになったので、そのレポートをお届けします!
秋山さんご夫妻の場合 ~夫の危機感が妻を動かした!
まずは昨年、待望の娘さんが生まれて幸せいっぱい!でももうすぐ育休が終わるタイミングを迎えている秋山夫妻。普段は8割方、妻が家事や育児を担当するというお二人が、セミナーに臨む上で考えていたこと、そして受講後の感想はどうだったのでしょうか?
妻「もうすぐ育休が終わり仕事復帰をして共働きになるので家事分担の話し合いのきっかけになればと思って来ました。実は、私自身も家事が得意ではなく、皿洗いも苦手で、これまでも夫にやってもらうことが多かったので、今回、知らなかった皿洗いのポイントを学べました。また、他の夫婦とワークショップをすることで、家庭ごとのルールが見えて面白かったです。もう少し長く学びたかったと思いました」
夫「裏技的なものはないかな?とか、どういう人が来るんだろうなど楽しみにしていて、意欲的にいろいろなことが聞ければと思って来ました。セミナーは講義と実践があり、どちらも素敵な講師の方々に優しく教えてもらえたし、他の夫婦の考え方や、やり方をみられて、取り入れたり見直したりできるいい機会でした」
実は女性の方からも皿洗いがあまり得意ではない、ということをよく聞きます。そんなこともこのようなセミナーがないと夫婦で話す機会はないのです。非常に楽しんだ様子のお二人。そもそもはどんなきっかけでこのセミナーに来ることになったのでしょうか?
夫「もともとは、私がなかなか家事をできていないと感じていて、佐賀県のホームページを見ていたところ、このマイナス1歳からのイクカジ推進事業』のセミナーを発見し、妻に相談して参加することになりました」
なんと!夫が積極的に見つけてくれたとのこと!佐賀県職員の金ヶ江さんも言っていましたが、こういうセミナーは男性が二の足を踏むことが多いので、これは本当にうれしい限りです。自分が家事を出来ないことに危機感を感じる時点で素晴らしいことですが、こんなケースもあるのか・・・と思っていたら、偶然にも秋山夫妻だけではなかったのです!
大西さんご夫妻の場合 〜家事ギャップに課題を感じていました。
続いて、結婚1周年を迎えたばかりという新婚の大西夫妻。“料理をしない方が皿洗いをする”などすでにしっかりと分担をしているお二人ですが、そのセミナーに参加したきっかけがこちらでした。
夫「インターネットでイベント情報を見つけて、妻に『うちは家事ギャップがあるから参加しないか』と伝えたところ、妻が申し込みをしてくれました。自分から妻にイベントを紹介した手前、恥ずかしい部分もありましたが、今日一緒に来ました」
なんと!こちらの夫婦も夫が情報を見つけてきたというのです!もしかしたら最近はこうした家事に積極的な夫が佐賀には増えているのかもしれないと感じました。では、そんなお二人が実際にセミナーに参加して感じたことはどんなことだったのでしょうか?
夫「妻の方が家事の負担が大きいのはいつも感じていて、今日のセミナーに出てきた家事ギャップも実際に我が家でも起きているので、解消できるように一緒に頑張っていきたいなと思いました。講義の中でもあったように、皿洗いまではやっても食器を拭いたり、棚にしまったりすることを疎かにしてしまっていたし、シンクを拭いたりまでしていなかったので、そこまでが皿洗いだということを学びました。そこまでできていなかったことに反省をしました」
妻「普段、ほめることができていなくて、怒ってしまうんですよね・・・お皿を洗っただけで満足しているので、そこは直してもらいたいなと思っているのですが、うまく伝えきれず、怒ってしまうと次はやってくれなかったりします。ほめることでうまく協力してもらい、お互いに家事力が上がっていけばと思いました」
まさに家事ギャップセミナーの内容にピッタリはまった形のお二人。お役に立てて本当にうれしいです。それにしても、我々の予想以上に今ドキ夫婦は家事や育児に対しての意識が高まっているようです。
こんなに楽しそうなセミナーは初めて!
NPO法人ファザーリング・ジャパン九州理事 森島孝さんインタビュー
男性から誘ってセミナーに参加する方がいるという、この事実について、実は確信を持っていたというのが、この「マイナス1歳からのイクカジ推進事業」のアレンジをしているNPO法人ファザーリング・ジャパン九州の理事、森島孝さん。まさにこの事業を行うにあたってライオンに声をかけてくれたそのご本人です。果たしてなぜ夫婦円満都市推進プロジェクトを佐賀でやりたいと思ったのでしょうか?
「楽しそう。何よりもそこですね。自分たちもいろいろな講座をやってきましたが、講座というとなんか勉強しなければいけないとか、大変なイメージがあると思います。でも、『夫婦円満都市推進プロジェクト』のサイトに出ている家事ギャップセミナーの様子を見て、参加している夫婦がとにかく楽しそうだなぁと思って、ぜひそのノウハウを佐賀にも広めてほしいと感じました。我々も一緒になって、楽しくやりましょう!というメッセージを伝えることが出来たらいいなと思っています。というのも、これまで九州各地で行った講座では、“ちょっと俺には無理かな”という男性の声や“それは私の役目だから”という女性の声を聞くことが多くて、女性が男性にあまり家事や育児を求めていない雰囲気を感じていました。佐賀県でパパ向けの事業を行うのは4年目で、これまでは“イキメン”(地域で活動する男性)を軸に、ちょっと子どもが大きくなった人に対しての取り組みをしてきたのですが、その中では“今さら変われない”という男性の反応が多かったです。特に夫婦関係に関して、参加者は口を揃えてそう話していました。だったらもっと夫婦関係が強い時期、子どもが生まれる前や生まれた直後に育児家事を楽しむ方法を伝えて佐賀の男性達を変えたいと思っていたところだったので、マイナス1歳の時期でのセミナーはバッチリハマると思いました」
そして、実際にセミナーを実施して、その思惑は実を結んだと話します。
「もう想像した通りで参加した夫婦がみんな笑顔になっていますよね。これほど楽しそうな夫婦向けのセミナーは初めてです。特にセミナーに参加した夫婦は、最初のうち、緊張している人たちが多いのですが、話を聞いている途中から笑顔になっていく姿が印象的でした。とくに最初は夫婦で話してなかったのに帰るころになると、いろいろ話し合うようになっている。最後の夫婦円満宣誓を聞いて、本当にやってよかったと思いました」
少しずつかもしれませんが、確実に効果を上げていっている夫婦円満都市推進プロジェクトの家事ギャップ解消セミナー。これからもさらに佐賀の男性を変えるために森島さんとともに突き進んでまいります!
リビングケアマイスター
杉本 美穂
すぎもと みほ
家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。