Vol.9発表!夫婦円満大賞!
やあ、家事と音楽をこよなく愛する男、KJだ。
1年半にわたり宮崎県日南市で展開してきた夫婦円満都市推進プロジェクトが一つの節目を迎えることとなった。それが・・・「夫婦円満大賞」!!1年半の間に夫婦円満を宣誓したおよそ200組の内、家事ギャップ解消セミナーを受けて応募した夫婦の中から、夫婦円満審査会による厳正な審査を受けて選ばれた大賞1組、優秀賞2組を表彰するというもの。なんて素晴らしい取り組みなんでしょう!さすが日南市!
言葉になりません(笑)
3月「日南市福祉のまちづくり応援フェスティバル2018」の中では授与式が行われ、受賞した夫婦二組が出席。ステージ上で﨑田恭平市長から賞状を授与された。
式の後、二組の夫婦に話を聞いた。
大賞に輝いた徳尾夫妻の夫、博哉(ひろや)さんは、仕事の休憩中に妻からのLINEで一報を受けたという。
受賞の感想については「言葉にならない」とはにかみ、優しい笑顔で妻を見つめた。
妻の静里奈(せりな)さんは夫について「もともと掃除が好きで積極的に家事や育児をやってくれていたけど、セミナーを受けた後、より積極的になってくれた」と感謝の気持ちを語ってくれた。
続いて、優秀賞を受賞した高橋夫妻。料理人の仕事をしている夫、理(おさむ)さんは「仕事柄、キッチンは聖域というイメージがあって家の中では妻が主なので入らないようにしようと思っていましたけど、変わりました。やっぱり少しでもサポートすることが大事だなと感じました。」控えめな言葉とは裏腹に受賞の感想については「選ばれると思っていました(笑)」と自信をのぞかせた。
「うちでいいのかな」と感想を話した妻の二美(つぐみ)さんはそんな夫の魅力を「包容力」と話し、笑いあった。
印象的だったのはいずれの夫も家事や育児をすることに抵抗を感じたことはないということ、そして、夫婦円満のために気を付けていることとして博哉さんは「妻がビックリしちゃうので、腹が立っても突然大きな声を出さないこと」。理さんは「疲れているときはそっとしておくこと」と、それぞれの妻の個性をしっかりと見極めたことを挙げていて夫婦がしっかりと向き合っていることが感じられました。
運営する側の意識も変わった
この1年半プロジェクトをけん引してきた﨑田市長は自身の生活も変化したと振り返る。「下の子はまだ1歳だから本当に大変。夜、家に帰ると妻が寝かしつけたまま一緒に寝てしまっていることも多いのですが、その時は、洗濯機を回したり、残っている食器を洗ったりするようになりました。ちょっと頑張るだけで、後から妻が楽になると思えば、やっぱりやった方がいいなと思うんです」そう語る市長は笑顔。決してイヤイヤ家事をやっているという雰囲気はない。
市民に対して夫婦円満を広めるためには、市長はもちろん運営する職員たちも実践が必要だと感じてきたということだが、その結果として、市長や職員の意識も変わってきたと感じている。
実際、プロジェクトに深く関わってきたこども課の方たちにお話を聞くと「やっていてうれしいことがたくさんあった」と口を揃えた。
「最初はあまり乗り気じゃなかった夫婦がセミナーを受けているうちに会話が弾んできて帰るころには笑顔になっている。そういう姿を見ることができて本当に良かった。セミナーで“気づかされました”という声も多かったです」「自分自身も家で夫に感謝の気持ちを伝えることを実践しています。やってくれたら“ありがとう”。何か気になることがあっても、ここは言わないでおこう、と思えるようになりました」
目指すはさらなる広がり
最後に、﨑田市長はこれからの目標や課題について語ってくれた。
「今回は家庭のことに対して関心を持っている人には伝わった部分が多かったと思います。いいモデルケースもたくさん出てきましたし。
でも、問題はその先です。さらにその周りにいる人たちに広げていくことが大事ですよね。このプロジェクトは少子化や子どもの貧困、それに離婚などいわゆる社会問題に対しての効果が期待できると感じています。行政という立場は得てして何か問題が起こった時に対症療法的に対策をすることが多くなってしまいますが、今回のようなアプローチの仕方でうまく社会問題の解決につながってくれることを願っています。そうなってくれると他の自治体ももっと興味を持ってくれて、この夫婦円満都市推進プロジェクトが、もっと広く広がっていくのではないでしょうか?」
日南市でこのプロジェクトに参加してくれた皆さんに協力してもらったアンケートによると、妻の約7割が「(夫が協力してくれるので)家事の負担が減った」と回答。また、夫も妻も、3人にひとりが「家事が原因の喧嘩が減った」という結果だった(対象/家事ギャップ解消セミナーに参加したご夫婦51組102名)。さらに生活の変化について、夫婦共にもっとも多かった意見が「夫婦の会話が増えた」だったことからも、家事ギャップ解消の先にある夫婦円満が確かに見えてきたようだ。
このようにプロジェクトがいい形でスタートできたのは、﨑田市長をはじめとする日南市の職員の皆さん、そして積極的に参加してくれた市民の皆さんのおかげである。この場を借りて感謝するとともに、これからもさらに多くの夫婦が円満になるために突き進んでいこう!と我々も決意を新たにしたのだった。
夫婦円満都市推進プロジェクトはまだまだ始まったばかりである。
リビングケアマイスター
杉本 美穂
すぎもと みほ
家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。