Vol.1宮崎県日南市 夫婦円満都市推進プロジェクト始動!
日南市長からミッション発動!
Lideaをご覧の皆さん、久しぶり。
家事と音楽をこよなく愛する家事ジョッキー“KJ”だ。
そう、あれはおよそ1年前、音楽で家事を楽しくする前代未聞のプロジェクト
「家事フェス」を立ち上げた。そして、今もなお、家事を楽しくするという
社会的なミッションに立ち向かっている。
妻がフルタイムワーカーであり、娘も二人いるオレは、日々家事と向き合い、大変さ、難しさ、そして厳しさ、また一方で感じる爽快感、充実感、そして達成感を感じながら、今もなお前進し続けているのである。
オレは今、プロ野球のキャンプ地としてもおなじみの”宮崎県日南市”に来ている。
なぜって?それはある男に呼ばれたからだ。
事の発端は、その男の大いなる野望から始まった。まずはこの映像を見てほしい。
オレは事前に﨑田市長から受けた日南市の課題である女性活躍促進、少子化対策のプロジェクトを進めるため、二人のスペシャリストと共に、ここ日南市へやってきた。
夫婦間に存在する家事ギャップとは?
スペシャリストの一人目は過去2回の家事フェスでもおなじみ、もはやKJの相棒の域にあるこの人!LIONのリビングケアマイスター杉本美穂!
杉本マイスターがまず示したのは、今年4月、LIONが実施した「夫婦の家事分担に関する意識調査」である。そこで浮き彫りになったのは「妻と夫の間には、様々な”ギャップ”がある」ことだった。
まずこの調査で注目したのは、ショックとも思える、夫婦関係が垣間見える質問。
「生まれ変わっても、また同じパートナーと結婚したいですか?」
この問いに対し“また結婚したい”と答えた割合は、夫が「66%」であることに対し妻は「50%」しかいない、というギャップがあったのだ。
では、なぜこのようなギャップが生まれたのか?
その裏側を紐解くと、家事に対する3つのギャップが浮かび上がった。
一つ目のギャップ。それは「夫婦の家事分担」。家事量が不公平だと感じる妻は決して少なくない。家事をうまく分担している夫婦(夫の家事負担率が2割以上)の妻は、実に「63%」が“また結婚したい”と答えている。
これに対して夫が家事をほとんどしていない夫婦(夫の家事負担率が2割未満)の妻はたった「44%」。つまり「夫が家事をたくさんやるほど妻はまた結婚したい」と考える傾向が見えてきた。これが、夫婦の家事分担のギャップである。
二つ目のギャップは、「夫婦それぞれから見た家事の負担率」
夫に「あなたがやっている家事の割合はどのくらいですか?」と質問したところ、夫たちの自己申告を平均するとその負担率は「34%」。
一方で妻に「夫がやっている家事の割合はどのくらいですか?」と聞くと、その平均はたったの「21%」。つまり、夫たちは「自分は結構やっている」つもりでも、妻たちからすれば「2割程度でしょ。」となっている。夫が家事をやったという思いは、妻にはほとんど届いていない、というギャップが明らかになった。
そして、三つ目のギャップ。「家事に前向きになれない理由」いわば「家事への不満」についても思わぬギャップがあった。
妻の不満は「時間がかかる」。これはきちんとやりたいが忙しい現代の妻を象徴しているともいえる。
その一方で、夫の不満は「やっても文句を言われる」。これは、社会的にも男性も家事をするべきだという風潮がある中で、夫も家事をやってはいるのだが、いかんせん、妻の目から見れば、言いたいことだらけ。思わず口からこぼれてしまう“ダメ出し”が、夫の心を折っているのだ。
つまり、夫婦は家事に対してまったく違う観点で不満を抱えているというギャップが明らかになったのだ。
杉本「私たちは、これらのギャップを総称して“家事ギャップ”と名付けました。」
市長「なるほど。そんな実態があったのか…。では、一体どうすればいいんだ。」
家事ギャップを解消するために夫は家事を学べ!
KJ「すべての家事ギャップを一度に解消することは難しい。だからこそ、一つずつ段階的な解決が必要なのだ。まずは杉本マイスターに、二つ目の家事ギャップ解消のため、夫の「家事をやった」が妻に届く方法を考えてもらった」
市長「そんな方法があるのか?」
杉本「それは、夫にきちんとした家事のやり方を学んでもらうことです」
では、なぜ「夫の家事をやった」は妻に届かないのか?その一つに、夫が”家事をやり終えた”と思っても、妻からすると完了していない、つまり”やったつもり”で終わっている実態がある。
ギャップが最も大きかった「食事の後片付け」がいい例である。夫は“食器を洗えば終わり“と考えているが、妻から見ると、その後にもやることが残っている…。これでは“夫がきちんと家事をしている”と妻は感じないのだ。せっかくやっているのに、なんとも切ない。そこで夫が食器洗いのきちんとしたやり方を学ぶことで、妻に“きちんとやっている”と評価されるようになるという算段だ。
市長「なるほど。確かに男は正しい食器洗いのやり方を学んだことなど無いに等しい。まずはそこをクリアにしようと。他にはどんな解決方法が?」
家事ギャップを解消するために妻は夫をほめる!
KJ「次に解決するのは、三つ目の家事ギャップ。家事に対する不満の夫側の意見の一位は「やっても文句を言われる」だ。ここで登場するのは、二人目のスペシャリスト、日本ほめる達人協会の松本秀男講師だ。」
市長「日本ほめる達人協会!?そんな講師がなぜ?家事とはどう関係が??」
松本「ご説明しましょう。」
松本「家事に対する不満の夫側の意見の一位は「やっても文句を言われる」。これがもし「やった分だけ妻にほめられる」に変わったら、夫の不満解消に確実につながります」
そもそも人は自分の身を守るために、本能的に自分以外の人のマイナスな部分が見えてしまい、ついダメ出しをしてしまう。つまり夫婦同士でダメ出しをするのは仕方ないことなのだ。しかし、だからと言って、仕方ないで済ませていては夫婦の溝は深まるばかり。自ら意識的にほめることが必要なのだ。そして、人同士が“ほめる”ためのメソッドを体系化しているのが「日本ほめる達人協会」である。
松本「もちろん、相手をほめるということは妻だけに必要なものではありません。
ただ、今回は一例として、つたないながらも家事をした夫に対して、妻がほめることで、一つの家事ギャップをうめることができないか、と考えたわけです。」
市長「なるほど、ほめることでか…。しかし、そんな簡単にほめることができるようになるのだろうか?」
松本「はい、すぐに実践できるコツが二つあります」
まず一つ目は「ほめ達3S」。「すごい!」「さすが!」「すばらしい!」の3つの言葉を使うことで、場の空気を変えることができる。そして、これを言うと、言った本人も前向きな気持ちになれる。まずは、ほめる姿勢を作るために口癖のように使うことがオススメだ。
そして、もう一つは事実をポジティブに捉えること。一見、ネガティブに見える事実も捉え方を変えるとポジティブな部分が見えてくる。
例えば食器洗いで考えてみると、“時間がかかる”という事実があったとする。ネガティブに捉えれば“やることが遅い”なのだが、ポジティブに捉えると“丁寧にやっている”となる。このように捉え方をポジティブにすると、ほめやすい状況がうまれるのである。
とはいえ、やはり改善してもらいたいこともある。そんな時は「もっとこうしてよ!」とダメ出しをするのではなく、魔法の言葉を最初につければよい。その魔法の言葉は「惜しい!」この言葉は“方向性はおおむねあっている”という肯定的な言葉である。つまりは、先に「惜しい」と言われると、言われた方は「どこが惜しい?」と聞く耳を持つことができるというわけだ。
ついに動き出す日南市夫婦円満都市プロジェクト
市長「確かにこれで、三つめの家事ギャップも解消に向かうかもしれない。では、一つ目の家事ギャップで「夫婦の家事分担」の問題を解決するためにはどうするんだ?」
KJ「市長、家事のやり方がきちんととわかって、しかも文句を言われずにほめられるようになったら、夫はどうなると思う?」
市長「それは、今までよりも家事をするようになるんじゃ…。あっ!」
KJ「そう。結果的に一つ目の家事ギャップも解消に向かうというわけだ。これらをここ日南市で実証するために夫婦を何組か集めてほしい」
市長「しかし、家事ギャップ解消がどのように日南市の課題解決につながるんだ?」
KJ「そう。我々の目的はただ単に家事ギャップを解消することではない。女性が社会進出し活躍をするためには家族、特に夫の協力が必要になる。少子化を食い止めるためには、夫婦が手を取り合って臨める環境づくりが必要だ。だからこそ我々が目指すものは、家事ギャップ解消先にある“夫婦円満”なんだ。」
市長「夫婦円満!?」
KJ「そう、それこそがこのプロジェクトの真の目的。この宮崎県日南市を日本初の“夫婦円満都市”にするのだ!」
日南市の女性活躍促進、少子化対策を見据えた、家事ギャップ解消に向けた“夫婦円満都市推進プロジェクト”はこうして始まった。
参考データ
「共働き夫婦の”家事分担”の実態。夫の家事参加はどこまで進んだか?」by HoNote
取材協力 サンメッセ日南
リビングケアマイスター
杉本 美穂
すぎもと みほ
家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。