みんなで笑顔になろう Kaji × Kaji ハッピーシェア!
実際に関わる前だからこそ大事!若者たちの将来に向けた準備をサポート!~Kaji×Kajiハッピーシェア×石巻市 家事シェアセミナー第4弾レポート~
宮城県石巻市協力企画 Kaji×Kaji ハッピーシェア! in 石巻市

Vol.5実際に関わる前だからこそ大事!若者たちの将来に向けた準備をサポート!
~Kaji×Kajiハッピーシェア×石巻市 家事シェアセミナー第4弾レポート~

知ることや家族で協力することで家事はもっと楽しくもっと効率的にできるはず!それを実現するための「家事のコツ」や「家事をシェアするコツ」を全国各地に伝えてきたライオン。今回は、ライオンの創業者である小林富次郎のゆかりの地で、2019年からライオンと包括連携協定を締結している宮城県石巻市で実施した家事シェアセミナーの第4弾の模様をレポートします。

石巻市での開催は約1年ぶり。今回、セミナーを実施した会場は、石巻専修大学です。

石巻市では、これまでもライオンが培ってきた健康づくりに関するリソースを活用し、市民の健康増進と健康寿命の延伸のための活動を推進してきました。今年、第二期協定を締結する際に、石巻市の仲介で石巻専修大学様をご紹介いただき、活動に協力いただく事となりました。

これまで子育て中の方々を中心にセミナーを行ってきましたが、今回は石巻専修大学に通っている学生たちが中心です。震災から復興が進み、これからさらなる発展を目指すこの街の未来を担っていく若者たちに、将来の生活できっと役立つであろうメソッドを伝えていきます。

会場に集まったのは人間学部の1,2年生を中心とする学生23人。加えて一般参加の方が7人の合計30人。やはり、今までのセミナーで見てきた光景とは明らかに違い、“セミナー”というよりは“授業”といった感じです。今回のテーマは食器洗いなどの「食事の後片付け」。これは年代に関わらず食事をする上では欠かせない家事なので、きっと興味を持ってくれることでしょう。

石巻市復興企画部の岡浩部長のあいさつからセミナーがスタート。まずは、タイトルにもなっている「家事シェア」がどういうもので、「家事分担」とはどう違うのか?NPO法人ファザーリング・ジャパンの杉山錠士さんから説明されます。

一般参加の皆さんが深く頷きながら聞く中、家事の経験はあっても誰かと一緒に家事を進めた経験がない学生たちにとっては「そんなこともあるのか」というくらいの反応。やはりここはなかなか共感が得られない部分なのかもしれません。

若者たちにとって「食器洗い」とは?

ライオンのリビングケアマイスターの杉本美穂さんからは、ライオンが実施したアンケート調査の結果を元にしたオリエンテーション。これまでは、20代から60代までの回答を基にしたデータを使って「あなたにとって家事とは?」という部分をお話ししてきましたが、今回はセミナーを受けている学生も含まれるいわゆる“Z世代”と呼ばれる若者を対象にしたアンケートの結果から家事についてひも解いていきます。

例え若くてもやらなくてはいけないのが「家事」。データを見る限りほとんどの家事は半数前後が実施していて、特に、当たり前ではありますが、一人暮らしの人たちはかなり高い確率で実施しています。今回のテーマとなる「食器洗い」もまた一人暮らしで9割、そうでなくても7割ほどが実施していて、比較的若者の実施率が高い家事に分類されます。

しかし、こんな結果もあります。

家事の好意度、つまり好きか?という部分において食器洗いは上位とはなりませんでした。「やらなきゃいけないからやっているけど、好きというわけではない」という現状です。セミナーを通じて、少しは食器洗いにポジティブな印象を持ってもらいたいところです。

また、3つの質問に答えてそれぞれの家事シェアタイプを診断する「家事シェアタイプ診断」では驚きの結果が出ました!

過去に実施した横浜市や明石市で圧倒的に多かった「パラレル型」は少なく、反対に今までかなりの少数派だった「デート型」が最も多い結果だったのです!効率を重視して同時に別々の家事を進める「パラレル型」とは対照的に1つの家事を2人で楽しみながら一緒に仲良く進めていく「デート型」。これからパートナーとともに暮らしていく上で「楽しんでいきたい」という前向きな思いを持っていることは素敵なことだと感じました。

軽いフットワークとリーダーシップ!頼りになる若者たち!

続いては再び杉山さんが登壇し、このセミナーではおなじみの一般社団法人日本ほめる達人協会のメソッドを基にした「ほめ達セミナー」。こちらは家事シェアをするための家族のコミュニケーションを円滑にするためのコツが中心ではありますが、学生たちにとっても、仲間や友達、アルバイト先など様々な人たちと接するうえで役立つ内容だったと思います。

さて、後半はいよいよ食器洗いについてさらに深く踏み込んでいきます。

まずは、ペーパーテスト形式の「皿洗い知識チェック」。ペーパーテストには慣れている学生たちもさすがに食器洗いについて考えて答えるという経験はなかったと思います。学校の家庭科の授業でも習ったことがない内容も多かったので、かなり苦戦している様子。

それでも真剣に回答することで、きっと食器洗いについて考える、いいきっかけになったはずです。答え合わせでは、正解が発表されるたびに一喜一憂していました。

そして、最後は調理室に移動して「皿洗いアクティブラーニング」。グループに分かれ、用意された食器を実際に洗ってもらいます。各グループには学生だけでなく一般参加の方々にも入ってもらい世代を超えて協力しながら進めていきます。

洗い始める前にまずは手順を考えてホワイトボードに描きだすことからスタート。

事前の想像では家事経験が豊富な一般参加の方が主導権を握って進めていくのではないかと思っていましたが、意外とそんなことはありませんでした。学生たちも積極的に発言して、むしろ学生がリーダーシップを発揮しているグループも多数!今回集まった学生たちは前向きに取り組んでくれる人たちが多くて素晴らしかったです。

杉本マイスターの手順チェックを経て、実際に食器を洗い、後片付けまでを実施。ここでも学生たちの積極的な姿勢は変わりません。

ほとんどのグループで、取り掛かるのが早いのは学生たち。フットワークの軽さが光ります!やり方も丁寧です。

ベテラン陣の市民のみなさんは、積極的な学生たちをにこやかに温かく見守り、要所要所でアドバイスする場面も見られました。

後片付けの部分では、排水溝のゴミ処理を忘れるチームもありましたが、そこは経験の少なさが出てしまったのかもしれません。それでも指摘されると「なるほど」と学びにとらえる前向きな姿が印象的でした。

学生たちがこのタイミングで家事を学ぶ意義

セミナー後のアンケートで一般参加の方からはこんな声が届きました。

「若い学生の方が、理論的なことや流れをつかみ、まとめてくれていたので、とても助かりました。とても楽しかったです」

「世代の違う方たちとセミナーを受講出来、色々な意見が聞け、又一緒にお皿洗い等活動出来て良かったです。学生さんの元気が良かったです」

「大学生の方と一緒のセミナーで若い方の意見が聞けて良かった」

一般参加の方も学生たちに対してポジティブな印象を持ったようです。

最後は石巻専修大学の高橋郁雄事務部長のあいさつで終了した今回のセミナー。

学生たちにとってあまりピンとこない内容も多かったかもしれません。ただ、それはまだ親や兄弟以外の誰かとともに暮らす経験をしていないことや、家事が日常生活の中で占める割合が少ない状況だからだと思います。

就職や結婚、出産など、学生たちのライフステージはこれから様々な変化をしていくことと思います。またそれに伴って家事との向き合い方も変わってくる可能性もあります。今回のセミナーで伝えたことは、家事と向き合うことになった時に初めてどうしていったらいいかを考えるのではなく、その事前準備に繋がっていくものだと考えています。今はまだピンと来なくても、いざという時に「そういえば、あんなこと言っていたな」と少しでも思い出してくれることがあれば、本当にうれしい限りです。

若者がメインのセミナーは我々にとってもすごくいい経験や学びになりました。これからもぜひいろいろな世代、いろいろなライフスタイルの方に家事シェアセミナーを実施していきたいと思います。

この記事を作成・監修した
マイスター

杉本 美穂

リビングケアマイスター

杉本 美穂

すぎもと みほ

家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。

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