Vol.2
家事シェアは家族をひとつにする!? 夫婦を助ける子どものお手伝い
~Kaji×Kajiハッピーシェア×明石市 家事シェアセミナー第2弾レポート~
"家事は女性の仕事"といった性別による役割分担意識を見直し、ジェンダー平等の実現に積極的に取り組む企業や自治体は増えています。2021年に「ジェンダー平等プロジェクト」を発足させ、市役所政策局に「ジェンダー平等推進室」を設置している明石市は、その先端を行く自治体として知られます。ライオンは昨年、そんな明石市とジェンダー平等の推進に関する連携協定を締結し、10月には締結式と家事シェアセミナーを実施しました。
今回は、その第2弾として実施した家事シェアセミナーのレポート。第1弾では、簡単で効果的なお洗濯の方法とともに夫婦で家事シェアをするコツやコミュニケーションのメソッドを伝えましたが、そこからさらに一歩踏み込み、子どももお手伝いをしながら家族みんなで一緒に楽しく家事をする方法を共有しました。
共働き夫婦だけで全部やるのはなかなか難しい
冬の名残を色濃く感じるような寒さの中、明石の人々の食を支える市場「魚の棚」に並ぶ名産のキビナゴを煮つけた「釘煮」が、確実に春が近づいていることを告げはじめた2023年3月。家事シェアセミナーの第2弾は実施されました。
ジェンダー平等を推進する明石市とあって、第1弾では特に夫婦で家事をシェアするために知っておくと役立つ知識や情報を届けました。しかし、共働き家庭も多く、夫婦がともに仕事をしながら家事をこなし、その上でさらに育児もしなければいけない中では、夫婦二人だけでは手が足りないと感じることも少なくありません。せめてもう少し人手があれば…外部のサービスを利用するのも経済的な負担になりますし、さらに家族みんながハッピーに過ごすためのいい方法はないでしょうか?
家事は家族が増えるたびに増えるもの。それを二人ですべてすることは…ん?家族が増えたのであれば、人手も増えていますよね。そもそも家事をシェアするのは、夫婦だけでなければいけないということではありません。おじいちゃん、おばあちゃん、そして子どもたちもまた家族の一員。みんなでシェアすることで家事の負担はもっと軽くなるはずです。
今回は、子育て世帯が多い明石市ということで、子どもとも家事をシェアしていく方法!大人と同じことはできなくても、子どもたちも年齢によってできることはあります。その部分を「お手伝い」してもらえれば、そりゃありがたいですよね。さあ、お手伝いを通じた家族みんなの家事シェアをするためにはどうしたらいいのでしょうか?
何をするんだろう?ワクワクいっぱいの子どもたち
会場は今回も明石駅の目の前にある複合施設「パピオスあかし」。明石市民は無料で遊べるということもあり、明石市の子育て世帯にとってはすっかりおなじみの場所であり、子どもたちも行き慣れた場所なので、楽しいことを想像してやってくることでしょう。
週末、土曜日の朝に集まったのは、14組のファミリー(大人が21人、さらにその子どもたち21名)。まず大人たちには「Kaji×Kajiハッピーシェア」の家事シェアセミナーがスタート。
お洗濯マイスターの大貫和泉さんがライオンの行った調査結果のデータなどをもとに客観的な数値から家事についてひもとくオリエンテーションから。改めて「あなたにとって家事とは」について考えていきます。
参加したそれぞれの人たちは普段あまり意識することがない自分の家事のやり方について振り返っていきます。特に夫婦で参加している人たちにとっては、やり方や大事にしていることの違いがその場で浮き彫りになっていきます。
続いて、NPO法人ファザーリング・ジャパンの杉山錠士さんによる一般社団法人日本ほめる達人協会のメソッドに基づいた「ほめ達」セミナー。参加者たちとのやり取りを交えながらほめることを通じたコミュニケーションのコツを伝えていきます。特に今回は、夫婦だけでなく親子でのやりとりについても意識をしながらそれぞれが考えていきます。
一方その頃、子どもたちは別室の工作コーナーで楽しんでいました。自由に絵を描いたプラ板を加工したり、独創性あふれる自分たちのオリジナル歯ブラシづくりをしたり、ブロック遊びしたり、思い思いの時間を過ごして、本当に楽しそう。
そんな子どもたちとお手伝いを通じて家事シェアをするには?
第1弾に続き、今回もお洗濯をシェアする方法や効果アップのコツなどについて大貫マイスターからアドバイス。その上でさらに本日のスペシャルコンテンツ「お手伝い」に関するコツを伝授!
大貫マイスターからは、お洗濯の工程の中から子どもたちでもできて、しかもパパもママも助かる3つのポイントが伝えられました。まずは、洗濯前に裏返しになっているものを見つける「裏返し探検」。続いて、洗い上がったタオルを乾きやすく、かつふっくら仕上げるための「タオルのふりさばき」。そして洗濯物を畳むときにバラバラになっている靴下のペアを探す「靴下仲間探し」。確かにこれなら子どもたちでも十分にできそうですよね。さらに、子育てパパママへの講演も多く親子のコミュニケーションにも詳しいファザーリング・ジャパンの杉山さんからは、子どもたちをやる気にする声かけの方法をレクチャーしていきます。
さあ、子どもたちにうまく伝えることはできるでしょうか??
みんなで協力!洗濯お手伝いワークショップ!
休憩をはさんでセミナー会場には子どもたちも集合!新しい場所にテンションが上がる子どもたちに、いつもは「すぐ騒ぐ!」と言ってしまいがちなところを、ほめ達のメソッドを体得したパパママたちは「元気がいいね!」とポジティブ変換しながら見守りつつ、最後はグループに分かれて用意された実際の衣類を使ったワークショップです。
タオルのふりさばきでは、その効果を数値で実感していただくためにキッチンスケールを用意。脱水まで終えたタオルはふりさばくことで重さはどこまで変わるのでしょうか?
子どもたちはありあまる元気をタオルにこめていきます。すると、それぞれ数グラムではありますが、タオルは軽くなるのです!たった数グラム?と思うかもしれませんが、これだけで、乾くまでの時間は変わるのです。特に部屋干しの場合は、乾くまでの時間が長くなることで臭いが気になってくるので、ふりさばきによる時間短縮はかなり重要!
さらに、積み上げられた洗濯物の中から靴下のペアを探す子どもたち。こうやってアトラクション的にすることでみんな楽しそうに取り組んでくれています。
さらに、今回はプラスアルファ情報として、まな板を使った畳み方もレクチャー。100均などで売っているプラスチック製の薄いまな板や下敷きなどを型紙として使って畳むと、畳みあがりのサイズが均一になります。畳む人によってサイズが変わってしまうことが防げるので、家族みんなで同じように畳むことができるのです。用意するもののサイズを、収納する引き出しなどのサイズに合わせれば、しまうときにシンデレラフィットしてくれます。
この日は直前にほめ方のセミナーや親子のコミュニケーションのコツを聞いていたこともあるとは思いますが、子どもたちが自由さを発動しても混乱した状況になることなく、終始和やかな雰囲気のままセミナーは幕を閉じました。あとはこれを家でできるか?という、これまた難しいポイントはありますが、きっと大丈夫でしょう!
セミナー終了後のアンケートには、こんな感想が届きました。
■お互いこだわりが強いので、家事シェアもなかなか大変です。折り合いをつけながら、少しずつシェアしていこうと思いました。
■新しい気づき、納得の気づきや共感する内容も多く、あっという間の2時間でした!!
■なるほどと思うことが多く、とてもためになり面白かったです。ありがとうございました。
うれしい反応がいっぱい!そして子どもたちについての感想も。
■子どもも参加できて楽しかったです。
■子どものほめ方が知れてよかった。毎日「静かにして」と言ってしまっていたので、「元気やね」と言いたい。
■子どもに対してももっと「ほめ達」をつかって接していこうと思いました。
■子どもも楽しませてもらい。親も勉強になりました。ありがとうございました。
■子どももハブラシやプラバン作りが楽しかったと喜んで戻ってきました。また、開催されることを楽しみにしています。
■家事シェアだけでなく、育児するすべての人にお勧めしたいと思った。
これもまたうれしい声。本当にやったかいがありました。
子どもが小さいうちは、「お手伝い」という感覚で、それほど家事の負担が減ったようには感じないかもしれませんが、子どもの成長とともにできることは増えていきますので、どんどんラクになっていくはず。そのためにも子どもにとって家事を楽しいと感じることは必要です。
いつのまにか、毎日の家事に家族が一丸となってシェアできるようになって、家族それぞれの負担やネガティブな気持ちを軽くすることができれば、それこそまさにハッピーシェア!明石市での活動を通じて、改めて夫婦だけではなく家族で目指す姿が見えてきたような気がします。
参加してくれた皆さん!ありがとうございます!ぜひおうちでも家族で楽しく家事シェアしてみてくださいね!