Vol.8山形・家事ギャップ解消セミナーには思わぬ効果があった!?~セミナー参加夫婦を直撃!ビフォーアフターインタビュー〜
YOUは何しにセミナーへ?
~参加夫婦インタビュー ビフォー編~
最近、知ったことがある。
それは・・・山形はアツい、ということだ。
やあ、音楽と家事、そして夫婦円満をこよなく愛する男、
そして夫婦円満都市推進プロジェクトのナビゲーター、KJだ。
昨年山形市でスタートした「夫婦円満都市推進プロジェクト」。共働き夫婦の数が全国トップクラスという山形で、夫婦の間にある家事ギャップの解消を目指した取り組みとしては三度目となる「家事ギャップ解消セミナー」が行われた。
当日は堂々たる真夏日。今年は日本中が猛暑となっているが、実は、ほんの数年前まで日本での最高気温記録を持っていたのは山形だ。アツいはずだ。
もちろん、その日のセミナーもまた多くの夫婦に集まっていただきアツく盛り上がった。セミナーの目的は、夫婦の間にある家事ギャップを解消し、円満を目指すことである。そもそもこういうセミナーに参加しようと考える時点で、とても前向きであるが、改めて、セミナーを通じて参加した夫婦がどのように変化するのかインタビューを通じて検証した。
お互いの個性を確認したい
最初にお話を伺ったのは、3人のお子さんがいる共働き夫婦、鈴木夫妻。
ともに言葉数はそれほど多くないが、長年連れ添ってきた中で培ったあうんの呼吸が見て取れる。冒頭の「夫婦円満ですか?」という質問に、夫の崇弘(たかひろ)さんは短く笑顔で「はい」とだけ応え、妻の直子さんも「まあ、仲良くやっています」とシンプルなお答え。実に微笑ましい。
互いに尊重し合うことを大事にしているというお二人。夫の崇弘さんは、妻がいないときにこっそり洗濯物を干したり、食器を洗ったりして夫婦円満のために努力しているという。ご自身も認めているように、もうすでに円満に見える二人がこのセミナーで聞きたいこととは何か?
「家事のやり方とか几帳面さというところで、お互いの個性が違って、ここまででいいだろうというところがちょっとずれたりすることがあるので、その辺を今日は一緒に確認できたらいいなと思います」と崇弘さん。一方、妻の直子さんは「夫はよくやってくれているんですけど、やっぱりやり方が違って私が直してしまったりすることがあるので、お互いに気持ちよくできるように勉強したいと思います」とのこと。ここも本当に息がぴったりの鈴木夫妻。果たしてセミナーで二人のズレ、我々が言うところの家事ギャップを埋めることができるのだろうか?
他の家庭はどうやっているのかを知りたい!
続いて、今度はまだ結婚生活が浅い若いお二人、高崎夫妻。
ちょっと照れくさそうな初々しい笑顔がまぶしい夫の剛さんと、妻の幸子さん。「たまにケンカするけど、笑顔が絶えない家庭だと思います」と剛さんが答えると、妻の幸子さんも頷き笑う。質問ごとに目を合わせながら答える姿には好感が持てる。二人が大切にしていることは笑顔。幸子さんが「お互いに許し合って」と言葉を付け加える姿を見ると、本当にこの二人がケンカをするのだろうかと思うほどだ。
ただ話題が家事のことになると、少しだけ雰囲気が変わる。二人が今回のセミナーで聞きたいこととは?
「どうやったらうまく手伝ってもらえるか知りたい」と、妻の幸子さん。実は家事をしているときに、ゲームや動画サイトを楽しんでいる夫の姿が気になっているという。それを受けて夫の剛さんは「もともと家事は得意じゃないので、奥さん任せになっています。仕事で疲れているとはいえ、手伝えるところは手伝いたいと思っています」と苦笑い。そしてこんな言葉を残した「世の中の夫と呼ばれる方々はどのくらい家事に協力しているのか?ちょっと他の家庭のことも知って参考にできればと思っています。」家事に対して前向きではあるが、なかなか自分でできていないことへの反省を込めて、セミナーの講師だけでなく他の参加夫婦からも学ぶ姿勢を見せた剛さん。果たしてこの見上げた心がけが吉と出るか?
セミナーを通じて知った、知識以外のものとは?
~参加夫婦インタビュー アフター編~
セミナー(「家事ギャップ解消セミナー/ライオン リビングケアマイスター杉本美穂、ほめ方セミナー/一般社団法人日本ほめる達人協会の櫻井講師、皿洗いセンター試験&アクティブラーニング」)を終えて・・・。
再び2組の夫婦の話を聞いた。どんな変化があっただろうか?
まずは鈴木夫妻。
お互いのやり方について確認したいと話していた夫の崇弘さんは開口一番こう語った。「自分のやり方がまだまだ足りなかったことがわかりました。そして他の夫婦の話を聞いて、上には上がいると思った」と笑った。家事については「毎日妻に言われていることですけど、食器を洗った時にシンクを水浸しにしてしまうことが、家事のギャップでよくあるということもわかったので、明日から、いや今日から直したいと思います」と反省と決意を口にした。セミナーを通じてしっかりと家事のやり方が伝わったことはまさに目的達成である。
一方、「子どもが3人いるので、なかなか二人で出かけたりする機会がなかった。久しぶりに二人でセミナーに参加して楽しく過ごすことができました」と妻の直子さん。
一番印象に残ったのは「ほめ方セミナー」だった。「互いのいいところを書き出すというワークがあったのですが、書いていくことで夫のいい部分を改めて思い出すことができました。それに、夫は私のいいところを『自分のことも家族のことも諦めないでやりきるところがすごい』と書いていて、いつも自分がやっていることや考えていることをわかってくれている、見ていてくれているんだとわかりました」二人の絆のようなものを再確認することにつながったようだ。
最後に幸子さんはそういうお互いの関係を振り返って「今回のセミナーを通じて、自分たちの形があるんじゃないかと感じました」何かをつかんだように晴れやかに語った。
家事ギャップ解消の日は近そうだ。
高崎夫妻はどうだったのだろうか?
「普段仕事では部下に対してほめることを気にかけているのに、家ではまったくやっていなかった。奥さんがやってくれているということが当たり前になってしまっていたので、ちゃんと感謝を伝えないといけないと思いました」と夫の剛さん。これに対して妻の幸子さんも「そうですね。一緒にいることや家事をしてくれることは、当たり前じゃないんだなと感じました。いなくなったら困る。やってもらったらちゃんとほめたいと思います」とまずは互いの存在の大切さを感じたようだ。
そして、一番知りたいと言っていた周りの夫婦についてはどうだったのだろう?
「世間の旦那さんはやるべきことをしっかりと協力して家事をやっているということを勉強しました。今日からは奥さんのことを楽にさせてあげられるように頑張っていきたいと思います。一緒に受講した旦那さんが、自分がまったくわからないことを教えてくれて、率先して動いている姿を目の前で見て、改めて自分の至らなさを感じて・・・ちょっとへこんでいます」と苦笑いを浮かべた。これについては幸子さんも共感したようである「皆さん、二人で家事をやっていて、いい感じにフォローし合っていて素敵だなと思いました。私たちもこれからそういう風にやっていけたらと思います」
家事の話というと、どうしても夫婦二人で向きあうことになるので、喧嘩に発展してしまうことがある。
「家事ギャップ解消セミナー」では、普段知ることができない他の夫婦の「家事事情」について知ることができる。今回インタビューに答えてくれた2組の夫婦も、家事に関する知識を得るだけでなく、周りの夫婦のことを知ったことで、おおいに刺激を受けたようだ。夫婦円満を目指す人たちが集まることで、どうやらその前向きな考えは思った以上に広がっていくという効果を感じられる結果となった。
そして最後にもう一組。山形で行われた3回の「家事ギャップ解消セミナー」すべてに参加した井戸夫妻にも話を聞いた。
夫の晴久さんの転勤で、山形に来て2年のご夫妻。晴久さんは、仕事が忙しくて、なかなか家事をシェアすることができていないようだが、妻の祐子さんは「セミナーに参加することでどんな家事があるか、どんなところが大変かを夫が知る機会になっただけでも違います」と参加した効果を語る。
晴久さんは「夫婦で家事の話をするようになりました。そして、いつも妻がやってくれている家事がわかるようになり、自分でも意識することは増えましたが、まだまだ。もっと自分が家事をやっていかないといけないと思っています」と語った。また、「セミナーに参加することで、忘れそうになっていたことを思い出す良い機会になっています。」と、二人とも、参加を重ねるごとにその効果を実感しているようだ。改めて、この取り組みを行うことに加えて、継続していくことの重要さを感じた。
1回目と3回目の参加で、変わったこととか、より強く意識するようになったことがあると良いと考える。
そう、我々はこのプロジェクトが広がり、円満な夫婦が増えていくためにも続けていかなければならない。さあ、次はどんな夫婦が参加してくれるだろうか。
リビングケアマイスター
杉本 美穂
すぎもと みほ
家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。