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機械学習を用いたハブラシ開発

ハブラシは、ブラシ部を保持し、毛が植えてある「ヘッド部」、手で持つ「把持部」、この2つを接続する「ネック部」の3つから成り、それぞれ商品ごとに材質や太さ、長さなどが異なっています。これらハブラシの研究開発では、研究者が過去の知見・ノウハウや自身のアイディアをもとに、商品のコンセプトに合わせてブラシ部や把持部の材質、形状を決め、いくつものサンプルを作製・評価する事で、商品を開発しています。こうした仕様の設定には、形状、特に太さや長さといった個々の要素を少し変更するだけでも別々にサンプルを作製するため、非常に多くの開発時間が必要となります。そこで、仕様の設計にかかる時間の大幅な短縮を狙い、人工知能(AI)をハブラシの研究開発でも活用しています。

例えば、商品の裏面に表記される「かため」「ふつう」「やわらかめ」といったハブラシの毛の硬さに関する品質項目では、AIを用いて結果を予測することで、実際にサンプルを作製しなくても、コンセプトや日本産業規格(JIS)に合った仕様かどうかの判断を行うことができます。最終的にはサンプルを作製して評価する必要はありますが、実際に数日かかっていたプロセスを約1時間まで短縮して、開発を効率化しています。また、AIを用いることで、これまで継承が難しかった熟練研究者の経験や勘をデータに落とし込むことが出来、若手研究者へのノウハウの伝承や人材育成にも役立っています。

研究事例紹介

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