衣料用洗剤に配合されているMES(アルファスルホ脂肪酸エステル塩:Methyl Ester
Sulfonate)は、再生産可能な循環型資源への移行を目指し、植物由来の界面活性剤として開発されました。MESの環境影響を評価するため、生分解性についての試験、生態系の食物連鎖を反映した生物(藻、ミジンコ、魚など)への影響についての試験を行い、開発時に環境受容性の高い原料であることを確認しています。市場に導入後、国内主要河川中のMES濃度を定常的に測定し(環境モニタリング)、実環境中でMESが容易に分解されリスクが低いことを確かめています。このように、環境安全性評価研究は環境受容性の高い商品設計に貢献し、企業の社会的責任を果たすことにつながっています。
環境受容性を検証するための具体的な研究として、公定法に沿った試験を行い各種法規への適合性を確認することはもちろん、LC-MSなど各種分析手法を用いた生分解経路の詳細な検討なども行っています。また、アーカイブ化した過去の知見を活用したり予測プログラムを用いた環境影響予測など、堅実かつ効率的に評価を行えるよう膨大な知見を蓄積するとともに最新の技術も取り入れています。
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