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習慣づくりの歩み

  

石けんとハミガキから始まったライオンは、「愛の精神の実践」を創業からの想いとして受け継ぎ、人々の心と身体のヘルスケアの実現を目指して、商品の提供とともに生活者への情報発信や普及啓発活動を推進し、より良い習慣を提案してきました。また、100年近く前から環境に配慮した商品の開発にも取り組んでいます。このようにライオンでは、事業を通じて健康で快適、清潔・衛生的な暮らしや社会課題に対して「より良い習慣」を提案してきました。創業当時から受け継がれている精神を根幹とし、この先の未来も良い習慣を提案し続けることで、サステナブルな社会への貢献と事業の成長を目指しています。

歯みがきの習慣づくり

近代的な食生活とともに広まった「むし歯」

日本ではまだ歯みがきの習慣が定着していない明治時代に、海外からの文化が入り、甘い・やわらかい・温かいといった食事の機会が増えていました。こうした食生活の変化を背景に、ほとんどの子供がむし歯を持つようになったと言われています。「このままではむし歯で日本が滅びてしまう」という強い危機感から、当社のオーラルケアへの取り組みは始まっています。

歯の衛生教授用掛図 1936(昭和11)年
90年以上の歴史を持つ「全国小学生歯みがき大会」

お口の健康を守るために、商品の開発・販売だけではなく、普及啓発活動にも努めてきました。子どもたちに正しい歯みがき習慣を伝える「全国小学生歯みがき大会」は、1932(昭和7)年以降、90年以上にわたって行われています。そのほか、歯科検診や口腔保健の普及啓発活動を担う「公益財団法人ライオン歯科衛生研究所」の設立、広告を通じた歯みがき啓発などオーラルケア習慣を社会に根づかせる活動を続けています。

小学生向け歯みがき大会 1965(昭和40)年
歯みがき習慣で、もっとむし歯や歯周病のない日常に

現在では1日に2回以上歯みがきをする生活者の割合が7割を超え、 フッ素入り歯みがきの使用も増えたことで、子どもたちのむし歯有病者率は減少してきました。こうしたオーラルケア習慣の定着と習慣を支える「ハミガキ」「ハブラシ」「デンタルフロス」などの商品の進化が、当社の事業の柱になっています。

清潔に暮らす習慣づくり

ウイルスや菌からカラダを守る。「手洗い習慣」の定着をアジアで

1893(明治26)年の石けんの製造・販売開始とともに、清潔衛生の習慣づくりはスタートしています。1996(平成8)年には、病原性大腸菌O-157による食中毒の集団感染が発生。子どもたちをウイルスや菌から守るための「手洗いの習慣化」が社会的課題となったことから、翌1997(平成9)年に『キレイキレイ』を発売。その後も世界的な感染症の拡大など、時代のニーズに合わせて商品を開発するとともに、学校や家庭における手洗い習慣の普及活動にも力を入れています。現在では清潔に対する意識向上活動をアジア各国でも展開しています。

食器や野菜の清潔を「当たり前」にする習慣づくり

1950年ごろ(昭和30年代)、「回虫症」が国民病といわれ、野菜・果物に付着した回虫卵や農薬が社会問題となっていました。こうした状況の中で、回虫卵や農薬を除去し、食器の汚れを落とせる日本初の「野菜果物・食器洗い専用の台所用合成洗剤」として「ライポンF」を1956(昭和31)年に発売しました。レストランや旅館、給食用での使用、家庭での普及に努め、台所用洗剤の歴史がスタートしました。日本の衛生水準を引き上げ、キッチンの清潔を当たり前のものにしていく習慣づくりは、現在の台所用洗剤に引き継がれています。

ライポンFポスター 1950年代
暮らしと一緒に進化する洗濯習慣

石けんや洗剤は、その上手な使い方、合理的な洗い方の啓発をすることで家庭生活の幸福に寄与する、という信念のもと、時代に合った洗濯法の研究を続けています。大正時代から農漁村の団体婦人部を対象に商品知識やその使い方の講演をする洗濯実習会を行い、1936(昭和11)年には、洗濯科学研究所の設立。家庭科の教材づくりや先生の支援なども行い、その時代にあった洗濯法をより多くの家庭に届ける活動を行っていました。現在も、生活スタイルや家事の担い手の変化、洗濯機などの家電の進化にあわせた社会のニーズを研究し、生活情報サイト「Lidea(リディア)」などでの情報発信や暮らしのマイスターによる啓発活動などを行っています。

洗濯講習会 1936(昭和11)年
学校で使用された洗濯の教本 1937(昭和12)年

環境にやさしい習慣づくり

環境負荷の低い商品の開発やリサイクル習慣づくり

当社では、100年以上も前の大正時代から醤油づくりの廃棄物からできる油を有効利用して石けんを作る研究など、植物資源を有効活用する取り組みを続けてきました。また昭和の高度成長期(1960年代)には、急激に増えた洗剤廃液による河川の発泡問題に対応するため、生分解性に優れた洗浄成分を開発。さらには富栄養化につながる「リン酸塩」を使用しない無りん洗剤「トップ」を1980年代に業界に先駆けて開発。洗浄力と環境の両立を目指した商品づくりに注力してきました。現在では、すばやいすすぎ性能によって、すすぎ1回を可能にし、洗濯時の水の使用量を削減する取組みをしています。 そのほか、詰め替えによるプラスチック使用量の削減など、様々な生活シーンにおいてエコの習慣につながる商品を拡充しています。また近年では、ハブラシや詰め替え用パウチなどのリサイクル活動にも力をいれ、習慣づくりによる資源循環型社会の実現にチャレンジしており、サステナブルな地球環境への取組みと企業活動を相乗的に推進し、サステナブルな社会への貢献と事業の成長を目指しています。

1980年発売の「無りんトップ」広告
ハブラシリサイクルのようす

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