生活に使用している水量は、国土交通省の調べでは、日本人一人当たり1日289Lで、日本全体でみると年間132億㎥(2010年)にもなります。この量は、高度経済成長期の生活様式の変化とともに増加し、1965年から2000年までの間に2~3倍にもなりました。一方、近年は節水への意識が年々高まっており、節水技術の革新と相まって、使用水量は1998年をピークに緩やかな減少傾向にあります。
使用の内訳をみると、風呂、トイレ、炊事、洗濯でほとんどを占めており、ここからも水がいかに生活に密着しているかがわかります。最も使用割合の多い風呂においては、シャワーノズルの手元でON/OFFを切り替えられる機能や、シャワーの水に空気含ませることにより、少ない水でも従来どおりのシャワー実感を得られるなどの節水技術が進んでいます。また、トイレでは、従来は、1回の洗浄水量は約13Lでしたが、渦を巻くように流れるトルネード水流の登場により、現在は、従来型の約1/3にまで使用水量が少ない超節水タイプとなっています。炊事では、皿洗いを手洗いではなく食器洗い乾燥機を活用することで節水が可能です。食器洗い乾燥機は、庫内に貯めた少量のお湯や水を循環させて洗うので、手洗いと比べて約1/9の水量で済ますことができるといわれております。2016年時点での普及率は約34%※1であり、今後さらに伸びると予測されています。
一方、洗濯については、風呂の残り湯を使うなどの家庭での工夫に加え、少ない水でいかにきれいに洗濯するかの研究が進められています。