山梨県の「企業の森推進事業」の一環としてはじめられた「ライオン山梨の森」。森を豊かにするために、活動には多くの人が関わっています。「ライオン山梨の森」を支える人々の思いを、それぞれの立場からお伝えします。
~地球に優しいライフスタイルの実現へ~
環境保全について思いをはせる場所
それが「ライオン山梨の森 II」です。
ライオン 代表取締役 会長 掬川 正純
私たちは、家庭内で日常的に使われる製品の提供等を通じて、「環境に優しい習慣づくり」に日々取り組んでいます。ハミガキ・洗剤・ハンドソープなど、水とともに使う製品で事業を展開する私たちにとって、水は最重要資源の1つです。安全で良質な水の供給に重要な役割を果たす水源地域の森林保全に、社員自らの手で関わり、社員一人ひとりの環境意識を高めていきたいという思いのもと、2006年に山梨市の水口地区で「ライオン山梨の森」の活動を開始しました。
水口地区では、約15年にわたって、延べ約1,700人の社員が森林整備活動に携わらせていただきました。ご支援いただいた関係者の皆さまには、感謝の気持ちでいっぱいです。
この「ライオン山梨の森」の活動に更に多くの社員が参加し、そして、より多くのステークホルダーの皆さんにこの活動を知っていただくため、2021年4月より活動の拠点を同じ山梨市の牧丘地区に移し、「ライオン山梨の森Ⅱ」として活動をリスタートさせました。牧丘地区では、造成地の里山再生や、森の中を散策しながら自然観察ができる環境教育のフィールドを整備することにチャレンジしていきます。
この活動を通じて「ライオン山梨の森」が、子どもから大人まで誰もが環境保全について思いをはせる場所になることを目指すとともに、事業では「無理なく続けられる習慣づくり」を通じて、地球に優しいライフスタイルを実現することに一層、力を入れていきます。
ボランティアを通じて
社員に環境の大切さを体感してもらいたい!
ライオン サステナビリティ推進部 島崎 博子
「ライオン山梨の森」では毎年、春から秋にかけて、社員ボランティアや新入社員研修で森林整備活動を行っています。
当社はメーカーですので環境に対する一番の使命は、環境にやさしい商品をお客様に提供していくことだと思っています。
その為に研究・企画・スタッフ・工場・配送・営業・・・他、それぞれの立場で環境への負荷の低減を意識した仕事をする社員を一人でも多く増やしたいと思っています。
また、山梨市の地元の皆様との交流も大切にしており、小学生や高校生、市役所職員の方々なども参加くださっています。
私は、この「山梨の森」の活動を通じて社員に肌で自然や山梨市の方々の素晴らしさに触れ、環境意識や視野の広がりを持ってもらいたいという願いを込めて仕事をしています。
事実、参加した社員のアンケートからは、体力的には疲れる作業であっても、楽しく自然に触れられた感動や環境意識が芽生えた喜び、山梨市の方々の笑顔に癒されたとの声がたくさん寄せられています。
『百聞は一見にしかず』。とにかく一度は社員に体験してもらうことを目標に、活動の意義をしっかり社内外に伝えていくよう頑張ります!
ライオンの皆さんとの交流を楽しみながら、
豊かな森林づくりを進めていきます
山梨市役所 農林課 堀内秀基さん
2006年から山梨市水口地区の森林から始まったライオンの皆さんによる森林整備活動は、2021年に山梨市牧丘町西保下地区の森林に場所を移し継続されています。
コロナ禍では、交流の場を設けることが難しい状況でしたが、今後、ライオンの皆さんと市民の皆さんや地元小学生との交流の場を設け、たくさんの楽しい思い出をつくると共に、多くの方に森林との関わりを考える場としてもらいたいと思います。
これだけ長い期間、活動を続けることができたのも、ライオンの皆さんの熱意に支えられてきたからこそだと感じています。
その想いに、私たちも応えていきたいと思います。
今後も、ライオンの皆さんとの交流を楽しみながら、豊かな森林づくりを進めていきます。
一人では無力。でも、周囲を巻き込み、活動が続くように働きかけたい。
ライオン社員 小林美佳さん
初めての参加で木の伐採場所に足を踏み入れると斜度が急で、落ち葉による不安定な足場だったため、私一人では何の役にも立たないだろうと不安に感じました。
森林整備活動は植林し、動物から守りながら育て、間伐し、伐採した木を利用して土留めを作るなど、複数段階にわたる作業があると知りました。手入れをする必要がある場所は奥の方まで続き、整備された登山道ではない場所にも踏み込まなければならないということも初めての驚きでした。
作業をしながら感じる凛とした森の空気、地域の人の温かさに触れることができるこの環境を未来につなげなければならないと実感した活動でした。
一人では役に立たない、1回では何もできない活動ですが、ライオン社員のボランティア、そして、地域の人の協力を得ながら継続的に活動することが大切です。
私の次の活動はボランティアに参加することに加え、この体験を周囲の仲間に伝え、巻き込むことだと思っています。