私は入社から6年間営業を担当しましたが、当時から営業という仕事に高い関心を持っていました。販売店と手を取り、一緒に考えながら売り上げを上げていくというライオンの営業スタイルに惹かれていたからです。実際に営業に配属となり、コンビニエンスストアの本部を担当させてもらっていたことが特に印象に残っています。ドラッグストアなどの他の業態とは異なる購入意向があるお客様に対し、「どのような売り場を作ったら、コンビニエンスストアで足を止めて商品を手に取ってくれるか」を、常に来店するお客様の目線に立って考え、売り場を作っていました。
そんな営業活動を通して、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストア等、業態によってお客様の滞在時間や購入する商品は大きく異なる事を実感し、お客様の購買データに基づいた詳細な分析を通して、店舗ごとに最適な提案をすることで「生活者のより良い習慣づくり」をもっと広げていきたいという思いを抱くようになり、今の仕事への異動を希望しました。
産休・育休を経て希望が叶い、現在はドラッグストアのアナリストとして復帰しました。アナリストとは、購買に関わる様々なデータを分析して得意先への提案につなげる事を担う役割です。最近では、購買データを活用した需要予測による売上最大化の提案や、お客様の獲得やファン化に繋がる施策提案をしています。例えば、当社はオーラルケアに関する知見は豊富ですが、生活者との直接的な接点はまだまだ不足しています。そこで、生活者とより密接にかかわっている販売店と協働し、販売店が保有する購買データを分析したり、お客様の生の声に耳を傾けたりしながら、よりお客様のライフスタイルや個々の悩みに適した売り場づくりの提案をしていくのです。実際に販売店のお客様に対してのオーラルケアに関する意識調査を実施したことで、我々が想定していなかったようなお客様のニーズを知る事が出来たケースは多々あります。
このように、データに基づいて考えた施策を営業社員とともに実行に移していくわけですが、これまでの営業経験によりアナリストになった今でも営業社員とのコミュニケーションはとてもよくとれていると感じます。また、複数の業態を担当してきた事で、そこにどのようなお客様がいて、どのような動きをされるかといった肌感覚も持ち合わせています。営業での経験は販売提案で仮説を立てたり、営業社員と協働して活動したり…といった具合に、アナリストの業務でも活かされているなと日々感じます。
ライオンにはアナリストや営業にとって、活躍しやすい環境が整っている点が魅力だと思います。その理由は、ライオンが医薬品を含めて幅広い製品領域に参入しており、その多様なカテゴリーの中から得意先に提案ができること、オーラルケアを中心に認知度の高いブランドを数多く抱えており、自信を持って課題解決の提案ができることにあります。
ただし、データばかりを見て提案していると、机上の空論となってしまうことが多々あります。例えば、「商品のことを知ってもらおう」としすぎるあまり、つい難しい情報や細かな情報を伝え過ぎてしまう事で、お客様が付いてきてくれない時があるのです。
そんな時、ライオンが大切にしているビリーフス(信念)の一つである「価値は顧客が決める」という言葉を思い出しています。このビリーフスは、「お客様から選ばれ続けることの大切さ」を伝えた言葉だと解釈しています。このビリーフスに基づき、「お客様が求めているものはもっとシンプルなものではないか、もっとわかりやすいものではないか」といった具合に、ライオン社員の目線からお客様の目線に切り替えることを大切にしています。
私がこれまでライオンで働いてきて感じたことは、ライオンには本当に「いい人」が多いということです。入社してからこれまで、周囲に迷惑をかけてしまう事は多々ありましたが、先輩や上司はそれをしっかりと受け止めてくれ、私を育てようという思いから常に応援してくれました。特に営業時代は、先方への提案でうまくいかなくて落ち込んでいる時、相談に乗ってくれて励ましてくれた先輩や上司がいたおかげで、どんな時も向上心を忘れずに頑張ってこられたのだと思います。
産休・育休を取得した前後も、周囲の皆さんが多くのサポートをしてくれました。特に、復職直後、テレワーク制度を頻繁に活用させてもらえた事は本当にありがたかったです。他にも、フレックス制度を活用した柔軟な働き方ができ、とても助けられました。ライオンでは多くの女性社員が活躍していると感じますが、その理由は女性活躍推進の制度が整っているうえで、上司や同僚の理解もあるためにその制度を安心して活用できる風土があるからではないかと思っております。
近年は、販売店の店頭で新たな習慣について動画で説明したり、POPを活用して視覚的に商品の魅力を伝えたりと、さまざまな情報発信ができるようになりました。ライオンだけではできないような販促も、販売店と協働することによって初めて実現することも多々あります。このように、販売店とライオンが手を取り合って、お客様により深く商品を理解してもらい実際に使ってもらって喜ばれる循環を生み出せることが、私たちアナリストの喜びであり、大きなやりがいだと思います。
将来、私は「より個々のお客様に合ったパーソナルな習慣提案」ができるようなアナリストになりたいと思っています。今より多くのデータを扱って仮説検証しながら、より多くのお客様のパーソナルなニーズに寄り添った提案を積み重ねていく事で、生活者のより良い習慣づくりに貢献し続けたいです。