私は入社後に約2年半九州で営業を担当していました。九州は、気候的に関東よりも暑い時期が長く、また春先にはPM2.5が飛んでくるといった地理的特徴があります。そのため、生活者の困りごととそれに応じて売れる商品も、自分がそれまで過ごしてきた関東エリアとはやや異なっていることを実感しながら、地域の生活者の特性を一つひとつ学ぶことを大切にして、営業活動を行っていました。
ライオンの営業としての最終目標は、販売店、卸店、ライオンの3者の利益を拡大させることです。そのため、売り上げ数値などのデータばかりに頼るのではなく、「実際に店舗に何度も足を運び、販売店との関係性を高め、そこで得られた地域特有の生活者情報を営業に活かしていく」というサイクルを大切にしていました。その結果、NONIOシリーズがリリースされた際には、現場から得た生の情報をもとに提案したことで、販売店の売り上げに大きく貢献することが出来ました。
若手の営業社員は、まだ知識や話術も乏しく、資料を沢山準備して自社の良いところをめいっぱい伝えるといった商談スタイルになりがちです。一方で、先輩に目を向けると、今まで培ってきた経験や話し方、人柄なども加わり、「厚みのある商談」をしている事を実感します。そうした先輩の背中から多くを学びながら、私が最も大事にしてきた事は、「お客様に対して常に真摯に接する姿勢」です。
自分に都合がよい情報だけでなく、自分にとって都合は悪くても相手の立場で必要な情報については、できるだけ話をするようにしています。
例えば、まだ売れ行きがよくない商品について聞かれた時には、「現状まだ売れていませんが、こうした対策を考えており、今後こうした展開を行う予定です」と説明をするようにしています。また、他のメーカーの提案や実績についても定量・定性的根拠を持って正確に伝え、それに対するライオンの対応策についても併せて伝えています。そうした相手のことを考えたやり取りが信頼につながり、販売店やお客様との良好な繋がりを生んでいるのだと自負しています。「お客様に対して常に真摯に接する姿勢」はこれからも大切にし続けていきたいです。
私がライオンへの入社を決めた理由は、日用品業界で「これから」一番になる会社に貢献したいと思ったからです。ライオンは日用品業界でまだまだ一番ではありませんが、就職活動時の私は、これから一番の会社になりうる可能性と、そこに挑む面白さに魅力を感じていました。
営業という仕事では、「自分がこの商談を決めた」といった具合に、状況をわかりやすく好転させられる瞬間があり、これこそが営業の醍醐味だと感じています。そして、それを特に感じられるのは、業界で1番手の会社よりも2番手、3番手の会社だと信じています。実際の営業場面でも、商談で上位企業とコンペになり、現場の情報をもとにオリジナルの提案を考えた結果、勝つことが出来たときの喜びはひとしおです。仕事をする上で、こうした刺激を得られることが私の活力となっていると感じます。
もう一つ、私がライオンに就職を決めた理由は、ライオンを通じてなら「海外の生活者にまで貢献できる」と感じたからです。私はガーナ人の父と日本人の母の間に生まれました。父の母国では日用品を使う文化がまだ成熟しておらず、日本と比べると発展途上にあります。ライオンの海外拠点はまだまだ少ないですが、これから益々「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する」というパーパスを基盤に、事業を世界に広げていこうとする会社です。その中で私も今後、母国も含めた海外の人々に、より良い習慣を広げていきたいという思いが繋がり、入社を決めました。
自分のように他国の血が入っていることや、他者との違いがある事で就職活動に不安を抱えている人もいるかもしれません。ただ私は、「ライオンは、各個人の個性を強みと捉えて、自己成長に繋げてくれる会社だ」と確信していますので、安心して飛び込んできてほしいと思っています。
ライオンには、質問をすると自分の仕事を中断してまで教えてくれるような、うまくいかないことがあったらすぐに優しくフォローしてくれるような、あたたかい先輩が沢山います。
皆さんがもし入社されたときには、私たち先輩にぜひ思い切り頼ってほしいなと思います。