私は化学工学を専攻していた大学時代からずっと製品開発に高い関心を持っており、「研究職」としてのキャリアに漠然とした憧れを抱いていました。就職活動時には、「様々な人と関われる事」、「多くの人の役に立てる事」の2つの軸を大切にしており、多くの生活者の習慣づくりに全社一丸となって取り組んでいるライオンに強く惹かれ、入社を決めました。
入社後は、先輩や同期から刺激をもらうことが非常に多く、素敵な人たちに囲まれながら成長できる環境に身を置けている事に喜びを感じます。また、ライオンには社員が快適に働くための制度や自己成長を支援する制度が多くあり、制度を活用して新しいことに挑戦している人が多い印象を持っています。年齢関係なく活躍でき、尊敬できる方たちと働けることは、自分ももっと頑張ろうと思える活力になっています。
現在は、制汗剤、ヘアケア製品のパッケージ開発や改良などを行っています。新しい価値や体験を意識した設計を考えたり、使い勝手をよくするために形状や材質を工夫したりする一方で、樹脂量を削減したり、再生プラスチックやバイオマスプラスチックを使用したりといった環境への配慮も行っています。
メンバーと協力しながら試行錯誤を繰り返し、ようやく完成した商品が店頭に並び、お客様が手にとっているのを見る瞬間の喜びはひとしおです。
開発を行う際に最も意識している事は、月並みですが「生活者の存在」です。パッケージ開発研究所では「人間中心設計」を軸としてパッケージ設計を行っています。「人間中心設計」とは、製品を使用するユーザーの使いやすさを中心において設計する考え方で、ユーザーとその要求を明確にして、要求に合ったものを設計し、満足度合いを評価していきます。
そのため、より良いパッケージにするために、理想とする材質や質感の参考となる製品を求めて、ドラッグストアやバラエティショップを何軒も巡ったり、総合施設の1階から最上階まで回って情報収集することもあります。
パッケージは「製品とお客様が一番初めに繋がるもの」です。
どんなに良い中身が入っていても、生活者に手に取ってもらえないとその製品の良さをわかってもらえません。そのため、生活者に「使ってみたい!」「使いやすそう!」と思わせる使命を担うパッケージの役割は大変大きいものだと確信しています。形状や質感にこだわったパッケージを生み出し、生活者に製品を使ってもらえるきっかけをつくりたいと思いながら開発を行っています。
毎日のルーティンは、時に面倒くさく感じることがあると思いますが、そこを楽に、そして楽しいものに変えることができるのが、パッケージ開発の面白さだと考えています。使いやすい、親しみやすい、無理や我慢をしなくても済む製品を開発し、生活者のより良い習慣づくりに繋げていきたいです。
また、近年はメーカーだけでなく、生活者の中でも環境意識が高まっています。しかし、環境に配慮しているからといって、外観が好みではない製品や、使いにくい製品を生活者にお届けすることはできません。そのため、外観や機能も両立した環境対応パッケージの開発が重要となってきます。
実際に私も、海洋ゴミを拾うボランティアなどに参加した際、そのゴミの量に驚愕し、環境問題への取り組みの必要性を強く実感しました。それ以来、より環境に優しい商品づくりを目指して、高くアンテナを張り、情報収集を心掛けています。幅広い包材メーカーの情報を集めたり、リサイクルの進んでいる海外の情報も学ぶようにしています。
仕事を始めたばかりの頃は、自分の実力が伴わずに葛藤する時期もありました。ですが、社内で様々な人に相談したり、様々な論文を読んだりして、自分に足りない知識を貪欲に吸収していくことで、次第に他者の知識と自分の経験を融合することができるようになり、新しい気づきや発見に繋がる感覚が得られるようになりました。
今後は、もっと発想力・企画力・実行力を身につけて、パッケージが主役となる開発をしてみたいと思っています。
生活者の悩みに対して、どんなパッケージがあれば解決できるのかを考え、その上で製品を開発する。より多くの人々の生活を豊かにするために、じっくりと学び、経験を増やしながら、これからもパッケージ開発を極めていきたいと思っています。