北東アジア事業担当
profile
前職では時計業界において一貫して海外事業を担当。アジア・中近東地域の海外営業を6年半にわたり経験したのち、北京へ赴任。販売戦略策定や新規流通開拓、商品マーケティングなどに従事した。経験を生かして海外の人々の健康に貢献したいとライオンのキャリア採用にエントリーした。
私は中国を中心にオーラルヘルスケア製品の拡販を目指し、マーケティング戦略の立案や企画推進を担当しています。現地法人と本社のR&D部門の橋渡しをしながら、商品開発やプロモーションなどのアイデアを実現すべく動いています。地域の生活習慣や文化の違いを理解することがとても重要ですから、現地法人のマーケターたちとの交流や、現地のスーパーマーケットやドラッグストアでの市場調査、HUT(ホームユーステスト:生活者調査)の分析などを行っています。
前職では「人々に身近な製品にかかわりたい」という想いから時計業界に就職し、中東や中国向けに低~中価格帯の時計を取り扱っていました。スマートウォッチの台頭などを経て業界全体が徐々に高級路線へ変化する中で、自分のキャリアを見つめ直し、「人々に身近な製品にかかわりたい」という想いが仕事観のベースにあることを再確認しました。
ライオンへの転職を決めた理由は大きく二つあります。一つはヘルスケアの分野で社会に貢献できる点です。私は「健康が趣味」と言えるくらい、健康に強い興味があります。身近な製品というと日用品の他にも食品、嗜好品などさまざまなジャンルがありますが、中でも長く人の役に立てるもの、社会に貢献できるという点でライオン製品に魅力を感じました。二つめの理由は、海外事業に専念してきた経験が強みになる環境だという点です。ライオンの海外事業はまだまだ成長期です。その中で、業界は違えど、中国をはじめとした海外市場や文化に対する理解や交渉力が、ライオンでの仕事のアウトプットにも生かせると考えました。ライオンにとって、中国は可能性のあるマーケットです。事業の成長と共に、自分のスキルをより深められるのではないかと期待を持ちました。
中国はとにかく市場が大きいですから、日本では知られていないローカルブランドも豊富にありますし、地域ごとに独特なトレンドもあります。例えば中国茶のフレーバーのマウスウォッシュが売られていますが、これはローカルブランドならではの発想だと思います。多様性のある中国市場で、日本ブランドとしてどう存在感を出していくかが考えどころです。
マーケットシェアのお話をすると、中国ではハブラシは一定のシェアを獲得していますが、上海や北京、広州といった都市部に集中している状態です。中国全土でライオン製品の認知度を高められる伸びしろがあります。
この仕事は現地法人のマーケターと交流する機会も多くあります。現地へ出張した際には真剣に議論を交わした後、一緒に食事を共にすることもあります。一緒に時間を過ごすことで海外の仲間との関係性が深まっていくことも大きなやりがいです。
海外事業の成長には現地法人と本社がしっかり議論を交わし、合意形成することが非常に重要です。私が培ってきた海外の知識や語学力、海外の人々との交渉力はファシリテーターとして力を発揮します。両者が妥協することなく質の高い議論の上で方向性が決まる。そのときに自分の存在が役に立っていることを実感します。
日用品のマーケティングは専門性が高いため発見も多く、日々チャレンジの連続です。特に難しいのがHUT(生活者調査)の分析です。例えば、ハミガキを調査対象者の方に4週間試用して味の評価をしてもらった場合、1日目の評価が2週間後、4週間後も同じとは限らないのです。ハミガキの効果を実感すると味に対する評価が変わる場合もあります。お菓子などの嗜好品は「その時美味しい」ことが評価につながりますが、日用品は少し違います。毎日使うもの、さらには健康を維持するために使う日用品ならではの奥深さを感じています。
転職後は公私にわたって時間の使い方も大きく変化しました。ライオンでは働き方の自由度が高く、私の場合は本社に週1、2回出社して、残りは在宅ワークです。おかげで育児の時間を以前よりも増やせたように思います。例えば、夕方に少し仕事を抜けて、子供を保育園に迎えに行き、子供をお風呂に入れた後に仕事を再開する、というようなフレキシブルな働き方もできます。より自律的な働き方ができるようになったのはとてもありがたいです。
現在は複数の企画開発プロジェクトを進めています。すでに現地のメンバーと協業の末に成功させたプロジェクトもあり、良いアウトプットができたのではないかと感じています。オーラルヘルスケアのニーズとしてどの国にも共通する課題は、高齢化社会への対応です。ライオンが日本で得た知見やノウハウも生かしつつ、 自身が推進する高齢化社会を意識した企画を世界中の生活者の悩みを解決する布石としたいと考えています。
ライオンでは今後、海外売上比率を高める目標を掲げています。日本の成功体験がそのまま海外で通用するとは思いませんし、海外事業には国や地域ごとの市場に合った方法を導入する柔軟性が必要だと感じています。自身の海外事業に専念してきた強みを発揮して、ライオンが世界の生活者に喜ばれるブランドになるよう貢献していきます。
ライオンは働き方の自由度が高く、従業員を信頼してくれる会社だと感じています。また、私の周りで活躍している方々は目標達成に向けて非常に熱い思いを持っています。意識が高いからこそ議論も白熱しますし、良い意味で意見を戦わせることができるため、関係性も深まります。ライオンとしてさらに良い価値を提供していくこと、そしてアウトプットに至る協業のプロセスに魅力を感じる方と一緒に仕事ができればうれしいです。