デジタル戦略担当
profile
メーカー系システム会社にSEとして入社し、購買、販売、物流といったサプライチェーンに関するシステムの導入・保守運用を担当。その後、自らの仕事の領域を広げるべく、サプライチェーンの実務部門であるSCM部門を経験したのちに、ライオン㈱へ転職。
私はSEとして早くからITシステムに携わっていましたが、「ITシステムは“導入することが目的”なのではない。あくまで“日々の業務に活かされ、企業の経営、ひいては生活者の生活を向上させるという目的のための手段”なのだ」と考えてきました。そのため、前職でも徐々にSEの範疇を越えたSCM部門での業務を希望するようになっていました。
そして現場での経験を積むうちに「目的を達成するため、手段としてのITシステムを開発しながら、より広い視野をもって、もっと深く企業活動に関わっていきたい!」と強く思うようになっていきました。これが転職を考えるきっかけでした。
そんな時、偶然出会ったのがライオンです。ライオンと言えば誰もが知る消費財メーカー。直感的に、ここなら「視野が広がる」というよりは「視野を広げなければ仕事にならない」、そして「深く関われる」というよりは「深く関わらなければ成果は得られない」と捉えられ、今までの「SEの仕事の範疇を越える・越えない」といったことが、急に小さな話に思えてきました。
それに、転職活動を当時4歳と1歳だった子どもたちも、背中を後押ししてくれた一因です。子育てをする中で、普段から歯みがきや掃除でライオンの製品を使っていたこともあり、子どもたちが物心ついた時に「これはパパの会社で作っているんだよ」とか言ってみたいな、そのために「自らが健康を増進して生活を向上させることに貢献していきたい」と考えるようになりました。また、企業研究を重ねていくうちに、ライオンのスローガン『今日を愛する。』に込められた想いが「私のイメージする子どもたちの未来」とリンクし、深く感銘を受けたのを今でもはっきりと覚えています。もうその頃には、すっかり入社する心持ちでいました。
現在はデジタル部門で、サプライチェーン領域のリーダーを務めています。具体的には、ライオンの企業活動の根幹である「購買~生産~補給~販売~物流」を繋ぐ一連の業務を、ITを用いて業務改革する仕事です。
私の入社当時、ライオンはシステムの刷新期にありました。それまで部署や領域ごとに独立してあったシステムを統合し、縦・横・斜めの幾重にもなる繋がりをより強く結びつけ、ライオンが持つポテンシャルを底上げすることが狙いでした。2022年にひとまずの地ならしが完了。現在は更なるアップデートのフェーズに入っており、より良いサプライチェーンマネジメントの実現に向けて多様な取り組みを進めている途中です。
業務を進行していて感じたのは、入社前の直感が、ことごとく体現されていった驚きです。「視野が広がる」という点で言うと、それまではサプライチェーンの「購買~販売~物流」にしか関わってこなかったのが、一気に「購買~生産~補給~販売~物流」にまでタッチすることになりました。また「深く関わる」という点で言えば、異なる部門のことを深く理解したことで連携を生み、予想以上の成果を上げることができました。
もちろんここに至るには、多くの方の協力無くして語れません。キャリア入社で全く知り合いのいない私のことを、温かく迎えてくれた同じ部門のメンバー。そして、会議の中で私が素人のような質問をしても、初歩の初歩から面倒くさがらず丁寧に教えてくれる関連部門の方々。して力になってくれるパートナー企業の皆さん。皆さんがフレンドリーに私に関わってくれたおかげで、障壁を感じることなく、やりがいをもって現在の仕事に取り組めています。多くの方々のサポートに感謝が尽きません。
私が思うこの仕事の魅力は、「製品をいつでもお客様の近くにある状態にする」という消費財メーカーの使命に直結するものだということです。そのために、例えば自然災害発生時の対応としてBCP(事業継続計画)の訓練も欠かさず行っています。しかし今後は、社内のみならず、より一層社外との連携の強化が必要だと感じています。
一方で、社会的な課題として、労働力減少を中心とした物流環境の変化や原材料価格高騰といったような苦境も続くと考えられます。その苦境に立ち向かうには何が必要か? 例えば、急速に進化しているAI技術を使って、人的リソースをより高付加価値を生み出す分野に振り分けるといったことを可能にすることだってできるようになるかもしれません。 目の前にすぐ答えがあるという状況ではないからこそ、ライオン全体が一丸となって知恵を出し合い、お互いが化学反応を起こしていくような関係になっていきたいと考えています。
ITシステムはコンピューターの世界のものではなく、リアルの世界の、まさに「生もの」です。繋げるのは、コンピューターとコンピューターではなく、人と人。ですから、いろんな人と関わって、協力しあって、理想を実現したいという想いをお持ちの方に興味を持って頂きたいです。きっと後悔はしないと思います。