贈呈式の様子
11年目を迎えた「ライオン美らaction」の実践校認定証贈呈式が、5月6日(木)に那覇市内で行われました。
新型コロナウイルスの影響で2年ぶりの開催となり、また感染拡大防止を考慮し、ライオン美らactionが始まって以来初のリモート形式で贈呈式を行いました。
贈呈式には2021年度の環境教育実践校に選ばれた県内の小中学校12校を代表して、読谷村立渡慶次小学校の松田忠校長が出席され、認定書と助成金(各校25万円)の目録が贈呈されました。
3年連続で実践校に認定された沖縄市立越来中学校の仲村リリア校長も出席され、同じく認定書と助成金の目録が贈呈されました。
贈呈式、両学校校長による挨拶に続き、越来中学校の生徒の皆さんが昨年度に実施した「ミステリークレイフィッシュでアクアポニックス」をテーマとした活動内容を元気いっぱいに報告しました。
認定校一覧
国頭(くにがみ)地区
名護市立 屋我地小学校
屋我地小学校は、2016年に小中一貫校「屋我地ひるぎ学園」として新たに開校し、開校以来、学校周辺の豊かな自然環境を活かした様々な取り組みが行われています。小学校から中学校まで一貫した環境教育を推進しており、人材や施設などの地域資源にも恵まれ、生活科や理科等の各教科や総合的な学習の時間等での体験活動や探究活動を通じて、身近な環境から地球規模の環境について先進的に取り組んでいます。
学級数:9クラス / 児童生徒数:122名 / 学校長名:渡具知 久浩 校長
活動内容と詳細
- 5~2月:干潟探検(干潟の生き物、ヒルギの観察)
渡り鳥の観察(アジサシ・冬の渡り鳥)
屋我地再発見(地域めぐり) - 10~2月:はちみつ体験
活動全体を通して、身近な自然の貴重さや希少性、多様性に気づくことができるようになりました。
伊平屋村立 伊平屋中学校
伊平屋中学校は本島北部の伊平屋島にあり、周囲を海で囲まれた自然豊かな場所にあります。離島ゆえに中学卒業とともに島発ちしなければならず、村を挙げて「島発ち教育」を推進しています。島を出た後も、故郷の島の魅力を出会う人々へ伝えていくことで思いを深めていくことができるよう、自然に親しむ活動を積極的に取り入れました。
学級数:3クラス / 児童生徒数:40名 / 学校長名:大田 守利 校長
活動内容と詳細
- 9月~終日:漂着ゴミの調査
- 10~3月:花いっぱいの学校づくり
- 12月~終日:海浜清掃
島内ウォーキングによる生活環境見学
活動を通して、自然をより身近に感じられるようになり、島への誇りを持て、世界とのつながりを感じることができました。
中頭(なかがみ)地区
読谷村立 渡慶次小学校
渡慶次小学校は、西海岸を望める場所に立地し、近くに豊かな自然が残る海岸があり環境に対する意識が高いです。数年来、ビーチクリーンなどの環境教育にも熱心に取り組む学校です。またESD教育の視点から、より身近な環境に対して関心を持つ活動として、ビオトープづくりにも取り組みました。
学級数:18クラス / 児童生徒数:650名 / 学校長名:松田 忠 校長
活動内容と詳細
- 4~3月:ビオトープ作り
ビーチクリーン
環境講話
活動を通して、自主的に朝や休み時間にも行動できるようになりました。
沖縄市立 越来中学校
越来中学校は、「環境教育の指導方針」や「環境教育活動の重点」を定め、各教科・道徳特別活動など様々な教育活動を通じて、環境保全や環境問題に対して主体的に関わる意欲や行動力・実践力を育成しています。2018年度に取り組んだ「アクアポニックスシステムの探求」では、身近な生き物への関心を高め、生き物を取り巻く環境の物資環境への仕組みへの理解を深めるとともに、人と自然が共存しながら農業や産業を発展させるための人材育成を図りました。
学級数:9クラス / 児童生徒数:200名 / 学校長名:仲村 リリア 校長
活動内容と詳細
- 4~7月:研究活動「自作アクアポニックスシステムにおける栽培水の適切濃度の研究」
- 8~9月:研究活動「施設型アクアポニックスの試作機の製作」
- 9~10月:研究活動「食用としてのミステリークレイフィッシュの食材としての活用方法の研究」
今年度は昨年の成果をもとに、さらに野菜を大きく育てる栽培水を作ることが出来ないかと、栽培水の各成分の濃度を調整するなど、試行することに多くの時間を費やしました。活動を通して、課題に直面しても粘り強く研究に取り組むことができるようになりました。
那覇(なは)地区
那覇市立 大名小学校
大名小学校は、首里末吉の森に続く周辺の自然豊かな環境を活かし、新しい校舎になった2017年度から蝶の食草の栽培や食草園の整備、沖縄の希少生物や水生生物の飼育・繁殖、学校周辺の生き物調べ、そしてミツバチの学習などを行っています。これらの取り組みを理科・国語・生活科・総合的な学習の時間・クラブ活動や放課後など、あらゆる時間を使って実践しました。
学級数:9クラス / 児童生徒数:180名 / 学校長名 宮平 和志 校長
活動内容と詳細
- 5~12月:蝶の卵、幼虫、蛹、成虫の観察
蝶園の整備
オオゴマダラの生態調べ - 2~3月:ミツバチの役割についての学習
蜂蜜の採取
今年度は、コロナ禍の休校などの影響により限られた環境でしたが、活動を通して蝶の生態やミツバチの役割や採蜜する花などについて学ぶことができました。
那覇市立 石田中学校
石田中学校では、「清潔な学校、花や木の育つ学校、みんなが楽しく学ぶ学校を基調として、花いっぱいの学習環境作り」に重点を置いた実践活動に取り組んでいます。2020年度は校舎内外の清掃活動や美化活動、観葉植物の栽培、花いっぱい運動、島バナナ・野菜等の栽培や収穫を行ないました。今年度はこれらの活動に加え、CO2削減や持続可能な社会の構築を目指した生徒主体の活動を計画しています。
学級数:17クラス / 児童生徒数:418名 / 学校長名:新垣 康史 校長
活動内容と詳細
- 4~3月:朝の清掃活動(COP活動)
エコキャップ活動(エコキャップを活用したアート制作) - 5~3月:一人一鉢運動(全校生徒で鉢植えと濯水を行う)
- 12月~:地域美化活動
活動を通して、生徒一人ひとりの美化意識が高まりました。また、那覇市教育委員会主催の「緑・花いっぱい部門」で最優秀賞を受賞しました。
島尻(しまじり)地区
八重瀬町立 具志頭小学校
具志頭小学校は、沖縄民謡「汗水節」の作詞を手掛けた仲本稔氏の出身地八重瀬町にあり、様々な活動の場面で「汗水節」が流れ、児童に慣れ親しまれています。また、児童たちは総合的な学習の中でも地元の「汗水節」についても学び、その心を受け継いで活動を継続しています。
学級数:20クラス / 児童生徒数:459名 / 学校長名:吉村 聡子 校長
活動内容と詳細
- 5~3月:毎朝の活動(清掃・散水)や清掃時の活動
- 6~9月:汗水デー(全学年による学校内外の美化活動)
活動を通して、働くことの大切さや、地域の一員であることを認識でき、協力する大切さを実感することができました。
与那原町立 与那原中学校
与那原町は小さな町域ながら運玉森や雨乞森などハンタに広がる緑地や、東側一面には太平洋の自然環境が広がっています。与那原中学校は、緑と海に囲まれた風光明媚な場所に位置にしています。周囲の環境などから生徒の環境美化への意識は高く、生徒会や部活動が中心となりながら生徒一人一人が校内の美化清掃やゴミ発生の抑制と減量、そして地域の清掃保持に努めています。各教科においてはSDGsを意識した授業が行われており、給食残量を減らし食品ロス問題を考え、我が国や町が有する環境問題についても学習しています。また、「与那原子ども議会」では、環境型社会の形成に向けた提言を行い、限りある資源やエネルギーを有効活用することの大切さを学んでいます。
学級数:21クラス / 児童生徒数:707名 / 学校長名:垣花 英正 校長
活動内容と詳細
- 4~3月:美化委員会の清掃活動、草花の管理等
授業での苗作り(12月)、清掃時間の花壇整備、部活動生によるごみ拾い(11月) - 7~3月:節電、牛乳パックの回収
- 10~3月:美化委員による卒業式に向けての草花(プランター)作り
活動内容にエコ活動が加わり、学校全体に活動の輪を広げることができました。
宮古(みやこ)地区
宮古島市立 伊良部島小学校
伊良部島小学校は、伊良部小学校と佐良浜小学校を統合し2019年4月に開校しました。同一校舎内には伊良部島中学校があり、宮古島初の小中一貫教育校でもあります。地球環境が年々悪化する中、宮古島に飛来するサシバの数も年々減少し絶滅危惧種に指定されています。このサシバ保護活動は、本校が旧伊良部中学校の時代から宮古野鳥の会や日本鳥類保護連盟の協力のもと40数年に渡って行われてきています。この取り組みを引き継ぎながら、サシバ保護活動や伊良部島の環境問題に取り組み、宮古島全体に警笛を発します。エコ活動や環境保全を推進している宮古島市にも賛同いただき、伊良部島小学校の児童生徒の研究実践には期待が高まっています。新型コロナウイルスの影響で昨年予定していた国際サシバサミットの開催が今年度に持ち越されました。
学級数:12クラス / 児童生徒数:210名 / 学校長名:與那覇 盛彦 校長
活動内容と詳細
- 9月:学校周辺のボランティアのごみ拾いと、環境保全を呼びかける立て看板の設置
- 10月:校内サシバ保護月間の取組(サシバ保護パレード・俳句・保護誓いの言葉等)
国際サシバサミット2021宮古島大会への参加 - 10~3月:カボチャ栽培体験活動の実施
校内でサシバ保護月間の取り組みを充実させることができました。取り組みを通して、国際保護鳥であるサシバを守るためにはなにができるかを考え、行動へ繋げようとする意識が高まりました。
宮古島市立 池間小中学校
池間小中学校は宮古島の北部に位置し、学校の正面には海、裏手には池間湿原と大変豊かな自然に囲まれた学校です。年間を通して様々な野鳥が訪れる環境でもあり自然観察にも熱心に取り組んでいます。小中学校一体となり「縦割り班」を組織、中学生を中心に島の素材で商品開発を行い地域との連携も図るなど積極的な活動が特長です。NPO法人や「ヤラブの木」、自治会、池間漁協など地域の方々も協力的で、生徒たちが活動しやすい環境が整っています。
学級数:7クラス / 児童生徒数:12名 / 学校長名:平良 吉嗣 校長
活動内容と詳細
- 4月・6月:地域クリーン活動
- 12~3月:花の栽培活動
- 7~2月:味噌づくり
地域クリーン活動では、自分たちの地域の汚染に気づき、地域の環境を大切にしようという意識の向上が見られました。今後も島やそれ以外の環境に、興味や関心を持って活動を続けていきます。
八重山(やえやま)地区
与那国町立 久部良小学校
久部良小学校は日本の最西端にあり、晴れた日には台湾を望むことができます。学級園や農園での栽培活動等の学校内活動に留まらず、学校外でも与那国島の植生調べ、地域の伝統である海神祭への取り組みなど地域に根ざした環境教育に取り組んでいます。また、海岸の漂流物、県指定天然記念物のヨナグニサンを育む島固有の生態系について学ぶことで、身近な環境を保全する意欲を高めています。
学級数:3クラス / 児童生徒数:46名 / 学校長名:田島 正敏 校長
活動内容と詳細
- 4~7月:バケツ稲に挑戦
- 7~11月:ナーマ浜清掃、マイクロプラスチック調べ
- 11~3月:秋冬野菜づくり、苗づくり
- 2月:SDGs学習カード(八重山版)で、身近な資源について考える
毎年続けているナーマ浜清掃は、特に子供たちが意欲的に取り組んでくれました。自然を愛する心を育み、地域の魅力を感じる体験になっている。マイクロプラスチック調べを継続し、考えを深め、さらなる疑問を見つけ、子どもたちの学びを広げることができました。
石垣市立 崎枝中学校
崎枝中学校は、理科教師を中心に継続的に環境調査の研究を進めています。名蔵アンパルの水質調査、シャコガイの成長における海洋環境要因など、学校を取り囲む環境に目を向けながら研究をしています。生徒は崎枝公民館主催のビーチクリーン作戦、コーラルウォッチに主体的に参加、地域の環境に対する意識を高めるリーダーとして活躍しています。海岸ゴミ問題にも取り組むなど環境教育に非常に熱心です。
学級数:2クラス / 児童生徒数: 4名 / 学校長名:嘉良 寧 校長
活動内容と詳細
- 6月:パイン収穫体験・赤土流出防止に向けた月桃植え
- 5~10月:シャコガイの成長観察と放流に向けた取り組み
- 4~翌3月:校内美化活動(一人一花壇運動)
学校農園を活用した栽培活動
崎枝地域の豊かな自然環境と人材を活用した取り組みを実施することができました。子供たちも達成感を得ることができ、それが自信につながっているように見受けられます。自分たちの活動のためには様々な方の支えがあってこそ成り立つという気付きにもなりました。