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マネジメントメッセージ

より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)

代表取締役会長 掬川正純 代表取締役兼社長執行役員 竹森 征之 代表取締役会長 掬川正純 代表取締役兼社長執行役員 竹森 征之
(写真左)代表取締役会長、取締役会議長 掬川 正純
(写真右)代表取締役兼社長執行役員 竹森 征之

ライオンは1891年の創業以来、人々の健康、快適、清潔、衛生に資する習慣提案とともに、そこで使われる様々な生活必需品の提供を通じて事業を発展させ、長きにわたり「事業を通じて社会のお役に立つ」ことを変わらぬ使命としてきました。北東アジア地域では、医療費の増加等社会の高齢化がもたらす様々な問題が顕在化する一方で、東南アジア地域では経済発展レベルに応じた健康・衛生習慣の整備が求められています。また、地球規模での環境問題への対処は避けて通ることのできない課題です。こうした事業環境の急激な変化や、顕在化する多様な社会課題の解決に的確に対処し、継続的に事業価値を創出し、社会貢献していく必要があります。

私たちは「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」というパーパス(存在意義)を起点に、経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」の実現に向けた中長期経営戦略フレーム「Vision2030」を策定しました。

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中長期経営戦略フレーム「Vision2030」

このVision2030では、成長戦略の推進と併せてサステナビリティ重要課題への取り組みも相乗的に進めることで、社会価値と経済価値を創出し、持続的な企業価値の向上を目指しています。中でも、人々の幸せな毎日につながる「健康な生活習慣づくり」と「サステナブルな地球環境への取組み推進」を最重要課題として経営資源を重点的に投下してまいります。習慣には大きなチカラがあり、人々の生活の大部分を占める日常の気の進まないことを前向きな体験、即ちPositive Habitsに変えていくことで、幸せの総和を増やしていくことができます。特に、脱炭素社会、資源循環型社会の実現に向けた活動目標としては2019年に「LION Eco Challenge 2050」を定め、すべてのステークホルダーとの共創によってその実現を目指しています。家庭での環境負荷を低減する様々なエコ習慣の普及は当社だからこそできる効果的な貢献と考えています。

今後もSDGs(持続可能な開発目標)の達成や、サステナブルな社会への貢献に向けて、これまで行ってきた「より良い生活習慣づくり」で得た幅広い知見と当社の強みである「生活者視点」のマーケティング力・研究開発力を駆使し、成長戦略の推進を加速させることで、健康で、快適、清潔・衛生的な毎日とサステナブルな社会の実現に貢献していきます。

代表取締役会長
取締役会議長

掬川 正純

代表取締役兼社長執行役員

竹森 征之

サステナビリティを経営戦略に組み入れた統合思考で、より良い習慣づくりによる社会への貢献と事業成長を目指します

取締役兼上席執行役員 小林 健二郎 取締役兼上席執行役員 小林 健二郎
取締役兼上席執行役員 小林 健二郎

サステナビリティの経営戦略への統合

人々と地球のために包摂的で持続可能でありレジリエントな未来の構築に向けて、地球環境と社会環境の課題解決の重要性が急速に高まる中、さまざまな取組みが社会全体で進められています。今後、当社グループがより野心的な取組みを実行していくためには、生活者一人ひとりのCO2排出削減と節水・節電の習慣、および健康な生活習慣を創出することがさらなる課題解決になると考えています。例えば、国連によると、消費ベースの会計でCO2排出量の65%が家庭部門に関連しており、家庭部門が大幅な排出削減を達成するうえで重要な役割を果たすことが示唆されています1)2)。鍵は人々の毎日の習慣にあり、CO2排出量の少ない習慣や、毎日の健康づくりの習慣を通じて大きな変化をもたらすことができると私たちは強く信じているのです。

当社グループは、パーパス「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」を起点に、サステナビリティ重要課題への取組み強化と3つの成長戦略を相乗的に推進することを経営戦略と定め、当社グループが優位性を持つ事業領域での価値創造と企業市民としての社会的責任を果たしていく道筋を、2030年までに描いて取り組むサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)として特定しています。その中で特に「健康な生活習慣づくり」と「サステナブルな地球環境への取組み推進」は、経営資源を投下して競争優位を確保する課題であり、最重要課題として位置づけています。さらに、それらを経営に活かして各事業活動につなげるために、私が議長を務める「サステナビリティ推進協議会」では、環境・社会・ガバナンスに関 するサステナビリティ戦略を策定し、具体的な活動計画の意思決定と中長期目標の進捗状況のモニタリングを行っています。今後も、パーパスを実践する中で当社グループならではのユニークネスを発揮し、「より良い習慣づくりによる社会への貢献と事業成長」を実現するサステナビリティ経営の舵取りを行っていきます。

より良い生活習慣の進化・拡大で事業成長と社会課題の解決を目指す

現在は、最重要課題である「健康な生活習慣づくり」においては、歯みがきや手洗い等の健康に直結する生活習慣の定着に注力しており、健康な生活習慣づくりに貢献する製品・サービス、および情報を当社グループが事業展開する日本とアジア地域の10億人に提供することを指標としています。今後は、海外グループ会社との協働をさらに拡大させていくことで、指標達成に向けた取組みを加速させていきます。また、当社が得意とするオーラルヘルス領域では、新たにオーラルヘルス開発部を設置し、IoTやAI等のテクノロジーを活用した製品・サービスによる新規市場の創造と事業領域の拡大も目指していきます。

「サステナブルな地球環境への取組み推進」では、生活者とともにつくる「エコの習慣化」を推進し、地球にやさしいライフスタイルを提案して脱炭素社会と資源循環型社会の実現に貢献します。つめかえ容器のリサイクル技術の開発や、回収システムの構築は、自治体・他企業とも協働しながら推進しており、社会インフラとしての実装を目指してパートナーシップを拡充していきます。

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社会価値と経済価値の創出イメージ

また、習慣づくりは楽しく前向きに取り組めるような体験の提供を通じて取り組み、人々の行動変容をデータによって見える化する等、DXを活用しながら習慣を科学することで、事業機会の創出につなげます。

さらに、当社グループのパーパスを体現する従業員の育成も重要です。当社では、年功型で職位が決まる仕組みを改め、ジョブ型の考え方を取り入れた新人事制度を2023年1月から管理職に導入しました。これにより、従業員一人ひとりが将来目指すべき自己実現の姿を明確に描き、仕事へのモチベーションや専門性を高めて価値創造を最大化することが狙いです。

今後も、当社グループの独自性を発揮したサステナビリティ経営の推進により、社会価値と経済価値の創出を両立して企業価値の向上を目指してまいります。

出典 1) United Nations Environment Programme (2020). The Emissions Gap Report 2020. Nairobi.
2) Ivanova, D., Stadler, K., Steen-Olsen, K., Wood, R., Vita, G., Tukker, A. and Hertwich, E. G. Journal of Industrial Ecology, 20(3), 526-536 (2016)

取締役兼上席執行役員

小林 健二郎

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