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IT・デジタル人材インタビュー

ビジネスアーキテクト

拡大する海外取引の業務改革を、内製・低コストで支援
プロジェクト成功の鍵は現場キーパーソンが持つ知見だった

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現場に大きな負荷がかかっていた海外現地法人との仕事
システム最適化で取引業務を支援

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ライオンの海外取引業務においては、日本から海外現地法人へ製品を輸出する業務があります。当社グループの海外事業では「地産地消」を基本方針とするグローカライゼ—ション戦略を推進していますが、アジア各国における生活者の日本製品へのニーズ上昇を受け、国内からの輸出も拡大しています。

デジタル部門では、この輸出業務の効率化を進めるため、デジタル面での環境整備の課題に取り組みました。従来の担当部門間の業務ではメールにファイルを添付する形で情報共有が行われ、注文書受領や集計などの作業はExcelによる手作業が中心であり、担当者に大きな負荷がかかっていたのです。

そこでデジタル部門では、国内部門が海外現地法人との間で共通利用できるデジタル環境整備に着手しました。業務プロセスの分析に基づき、最小限のコストで業務改革と生産性向上の実現を目指すプロジェクトです。海外との間で輸出状況をスムーズに情報共有できる汎用性の高いシステム(SharepointとPowerApps)を構築し、作業時間を削減。業務の標準化に向けてはExcelマクロ(VBA)による自動転記を選択し、業務品質の向上を図るとともに、業務のシェアが可能となり、特定の担当者に集中していた負荷を軽減しました。

リアルなコミュニケーションから得たヒント
現場キーパーソンが持つ知見・経験が心強い味方に

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プロジェクトを実りあるものとするためには、海外現地法人への輸出業務に精通する、現場のキーパーソンの知見を取り入れることが欠かせません。その高水準の業務レベルを理解してこそ、生産性向上の打ち手を提案できるからです。

デジタル部門のメンバーは20代の若手が中心で、海外取引業務に関する知識がほとんどありません。そこで今回のプロジェクトでは、デジタル部門で多用しているチャットではなく、リアルのコミュニケーションに努めました。できるだけ現場へ足を運び、経験豊富なキーパーソンから直接話を聞くことで、プロジェクトを前進させるためのヒントをたくさん得ることができました。

現実には、システム上の制約もあり、現場サイドの要望に100パーセント応えられないこともあります。それでも現場の知見と経験、そして思いを聞くことは欠かせません。デジタル化を通じた業務改革は、デジタル部門だけではなし得ないからです。一つひとつの業務やルールについて、その背景も含めて丁寧に聞き、現場を見て、理解する。このプロセスを大切にし、現場のキーパーソンが持つ知見や経験を取り入れていくことは、業務改革プロジェクト全般に通じる秘訣だと感じています。

あたりまえを疑い、時にはあたりまえを壊す
変化を恐れない組織として成長したい

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今回のプロジェクトでは、システムを内製することによって低コストでの業務改革を実現しました。海外現地法人を含むさまざまな部門で投資計画が動き、厳格にコスト管理を進めています。だからこそデジタル部門では旧来の技術やツールも組み合わせ、既存のパッケージから得られる効果も最大限に活用して低コスト化につなげました。

高いコストをかけてRPAや汎用アプリツールを導入するのではなく、目的と手段を踏まえてExcelマクロ(VBA)による自動転記を選択したことも、そうした決断の一つです。大規模なプロジェクトであれば、外部のコンサルタントやSIerの力を借りてコストをかけることも必要かもしれません。ただ、データ連携や入力作業の簡略化は身近な技術でも実現可能です。「現場の負荷を軽減して生産性を向上させる」という目的達成こそが重要であり、手段にこだわる必要はないのです。

目的思考でプロジェクトを進めていくためには、今の「あたりまえ」を疑い、時にはあたりまえを壊していくスタンスも求められます。私たちは、小さな変化をクイックに進め、社内の関係者がITに対して必要以上に身構えることなく、大きな成果を出せるようにしていくべきなのだと考えています。身近な場所にあるあたりまえを疑い、絶え間なく変化を起こす。そんなデジタル部門であり続けられるよう、私自身も挑戦し続けたいと思っています。

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