閉じる

IT・デジタル人材インタビュー

ビジネスアーキテクト

データ共有システムの構築で
卸売業とのエコシステムを整備
営業活動の効率化と
物流の高度化をめざす

人材インタビューイメージ 人材インタビューイメージ

企業活動の多様化により社内外と連携するエコシステムの整備が重要とされる今、ライオンでは 営業活動の効率化及び物流の高度化をめざし「流通業との取り組み強化」をテーマとしたプロジェクトを進めています。今回は、卸在庫データの可視化を中心に、ビジネスアーキテクトの担当が仕事の実際を紹介します。

押し寄せる環境変化には「社外との協業」がカギになる

人材インタビューイメージ

今回のプロジェクトの特徴は、社内の他部門や社外の企業と取り組む横断型の協業プロジェクトであるという点です。プロジェクトが立ち上がった背景には、世の中の大きな環境変化があります。たとえば流通現場では、メーカーと小売業を結ぶ卸売業が多様な役割を担うようになってきたこと、また物流業界では人手不足や荷物の増加などによる物流クライシスもあります。こうした環境変化に対応するためには、情報連携をはじめとした社外とのビジネスエコシステム(企業や顧客をはじめとする多数の要素が集結し、分業と協業による共存共栄の関係)の整備が重要となり、相互の営業・流通・物流の取り組みの効率化・高度化にもつながると考えています。ゆくゆくは営業や物流に関するあらゆる情報を共有できるよう、DXを進めていく予定です。

プロジェクトの一環として私たちが最初に取り組んだのが「日別卸拠点別在庫データの取得」です。これまで、当社外の在庫は卸売業から報告いただく月末在庫をベースに管理しており、正確な把握が難しかったのですが、今回、日別・拠点別・商品別で詳細な在庫データをタイムリーに提供いただけるようになりました。これによって、より流通の在庫状況を把握しやすくなり、当社の在庫管理業務の効率化にもつながりました。

データと、人と、向き合う。ビジネスアーキテクトの役割

このプロジェクトにおけるビジネスアーキテクトの役割は、卸売業と営業関連部門双方の意見を集約し、どのようなシステムが最適であるのかを提案すること、そしてシステム構築全般を円滑に進めていくことです。今回は協業ということもあり、多くの方とコミュニケーションを取る機会がありましたし、ビジネスアーキテクトの枠を超えて実際に開発を手掛けた部分もあります。システムの構築にとどまらず、収集したデータをライオンの中でどのように活用していくのかを関連部門と共に検討することも大切な役割と捉えています。

まずは卸売業からはデータを受け取る際の状況に関する詳細な聞き取り調査を行いました。社内では卸売業からの受信環境に基づき、構築するシステムのイメージを具現化します。次に、業務でデータを活用する部門に対して、どのような視点からデータを見れば業務が効率化できるかを協議し、システムに必要な機能や仕様を洗い出しました。最後にデジタル部門内の開発担当者とシステム設計を詳細に検討した上で、開発に進みました。

実際の業務で活きるシステムは、データを使う現場の方が何を求めているのかを深堀りすることで完成すると思います。どんなに良質で豊富なデータがあっても、読み取りづらいものや重要な指標がわかりづらい状態ではなかなか役に立ちません。データとも人とも向き合う姿勢を、日頃から大切にしています。

新たなプラットフォームでプロジェクトの第一歩を踏み出した

GCPイメージ

データ活用を促進するためには、可視化画面の構築はとても重要です。特にデジタルに詳しくない方でも抵抗なく使えるもの、という点を意識して作りました。ただ数値だけが見えるよりも、感覚的に在庫の全体像を捉えられるものがあった方が良いのではないかということで、詳細な数値を見る画面とは別にグラフやマップチャートなどを組み合わせた画面を構築しました。

今回のシステムは大手クラウド事業者のサーバレスのプラットフォーム上で構築しましたが、私自身としては初めて使用するプラットフォームだったため、大きなチャレンジでした。社内で同プラットフォームを活用している方に相談をしたり、関連資格の取得などを通じて理解を深めました。今回に限らず、業務上の疑問や学びたいことを部門の垣根を越えて相談できる風通しの良さもライオンの一つの社風ではないかと思います。

今回の取り組みは、プロジェクトの第一歩です。単体ではインパクトは小さいかもしれませんが、関連部門からは「今まで気になっていた情報が見られるようになった」「新しいデータが活用できることはとても大きい」という声があがり、確実に意味のある仕事だったと感じています。今後もさまざまな情報のデータ統合が進めば、在庫最適化や需要予測にも役立ちます。より大きな成果が出せるようプロジェクトを推進していきたいと思います。

ライオン製品を多くの方へ届けるため、ITで業務の効率化を支えたい

人材インタビューイメージ

私はIT戦略・データサイエンティストコースの社員として入社し、今までにSCM関連システムの保守、販売データ分析のためのBIツールの表示画面設計・開発、クラウド技術の活用といったさまざまな領域を経験しました。ライオンは入社当時から新人教育にもかなり力を入れています。勉強の機会も多く、さまざまなプロジェクトに関わることができるため、多くの経験を積むことができていると実感しています。社内複数部門や社外の方と関わるチャンスが多く、多角的な視点で考える力も身につきました。

私は、大学時代に所属していたゼミで、市役所の業務課題をITで解決するプロジェクトに参加したことが、ITを使って仕事をしたいと思うきっかけとなりました。ITが、行政の課題解決に大きな力を発揮するのを見て、ITの力が社会の役に立つことを実感し、困っている人を助けたいという思いを強くしました。

ライオンに入社し、システム開発者としてだけではなく、業務を革新するビジネスアーキテクトとして働く中で、それぞれの製品には社員の創意工夫や努力、知見が集約されていることを実感するようになりました。だからこそ、ライオン製品を多くのお客様へ届けるため、ITの力を最大限に活用し、業務を革新し続けたいと考えています。社員一人ひとりがライオン製品を使ってくださるお客様に向き合える、本来の業務に集中できる環境を整え、お客様のニーズに迅速に対応できるように、ITのプロフェッショナルとして貢献していくことが、私の目標です。

※BI(ビジネスインテリジェンス)ツール:企業が蓄積する大量のデータを蓄積・集計・加工・分析・可視化することで、高度な意思決定に活用する仕組み

Share