ライオンは長年、お口の健康状態維持・改善のための研究開発を進めてきました。テクノロジーを駆使し、口腔組織や口腔細菌叢の研究、一人ひとりのお口の状態や習慣に合ったオーラルケア製品・サービスの開発を通じ、「予防歯科習慣」の定着を後押しすることで、人々の健康を支えます。
小さな頃から「予防歯科」の習慣を身につけることは、生涯にわたり健康な歯を維持するためにも欠かせません。楽しく歯みがきの習慣を身につけ、さらに親子の歯みがきの時間を「親子の絆を深める大切な時間」にしていただけるよう、安全面により配慮した製品開発や、乳幼児にも喜ばれる香味づくりを進めています。
また、通常、生まれたばかりの赤ちゃんの口腔内にはう蝕(むし歯)や歯周病に関わる病原菌は存在しないと言われていますが、家族に囲まれ暮らし成長していく中で、様々な菌が口腔内に定着し、菌叢を形成していきます。
私たちは「良い口腔状態を保つためには、良い菌叢を育むことが重要である」と考え、菌叢に着目した研究を進めています。
乳歯から永久歯に生え変わるこの時期は、混合歯列期と言われ、乳歯と永久歯が混在することで歯の高さや歯ならびが凹凸になり、みがきにくくなります。また、生え始めの永久歯は歯の表層を覆うエナメル質が未成熟のため歯面が粗く汚れがつきやすく、う蝕の原因菌が産生する酸にも溶けやすいため、う蝕になりやすい状態にあります。この時期特有の口腔環境でもみがき残しなく、お子さん自身で上手に歯みがきできるよう、お口の成長に応じた製品を開発しています。
乳幼児期からこの時期にかけては、口腔機能を獲得する大事な時期でもあります。ライオンでは、きれいな歯ならびの土台づくりにつながる口腔機能獲得に向けた研究も進めています。
歯ぐきの衰えは、実は20~30代から始まり、決して中高年に限った問題ではありません。予防歯科習慣の定着に向けて、歯と歯ぐきの境目や歯間部に溜まる歯垢を効果的に除去できるケア用品を開発。さらに美白や口臭予防機能を付与した製品開発を通じて、「話す・笑う」といったポジティブなコミュニケーションをサポートしています。
また、妊娠中から産後にかけての女性は、つわりやホルモンバランスの変化によって口内環境が悪化しやすくなります。そこでライオンでは、つわりや忙しさなどでケアが十分にできない場合でも、無理なく口腔内の衛生を保てるような製品も開発しています。
様々なライフステージや生活環境、口腔状態に合わせ、一人ひとりが最適なケア用品を選び、心地よくケアを続けられるように。私たちは多角的な視点で研究を続けています。
永久歯は、通常親知らずを除き28本。そのうち20本以上の歯が残っていれば、硬い食品でもほぼ満足に噛めると言われており、国内では1989年より「8020運動(80歳になっても、自分の歯を20本以上保とう)」が推進され、年々、歯の保有状況は向上しています。高齢者における口腔の疾患および歯の喪失リスクは、みがき残しの長年の蓄積や、高齢化に伴う歯の根元(根面)の露出、口腔の乾燥や義歯の装着といった口腔環境の変化によって高まります。ライオンではこれらのリスク低減のため、シニア期の口腔状態にあわせたケア用品の開発を進めています。
さらに、う蝕や歯周病だけでなく、口腔機能の衰えも「食べる・笑う・話す」といったQOLに影響します。生涯にわたるQOL維持・向上に向けて、口腔衛生に加え、オーラルフレイル対策の研究も推進しています。